客の喜ぶ顔
最近の新聞で、続けて顧客志向に関するおもしろい記事を見つけたので紹介する。
ひとつめは西麻布の老舗イタリアン「アルポルト」のオーナーシェフの片岡護さんが日経新聞の2月25日(日)のSundayNikkeiαのマイバランスというコラムに、こんなコメントを発表している。
『若い人には「この仕事はお金にならないから、お金が欲しいならばやめた方がいい』とよく話しています。計算や商売に走ると客に伝わります。『おいしかったよ』と言ってもらいたいから、この仕事をしているのです。客の喜ぶ顔を見て、自分もうれしいと思わない人にはつとまらないでしょうね。』
これも先日のベンツのセールスマンの話に通じると思う。自分が心底顧客を好きにならないと、結局長続きしない。これはコンサルティングも全く同じだ。逆に言えば、顧客が成功するのを見て喜ぶだけでは満足できないひとは、コンサルタントには向いていない。自ら経営者になるか、実業の世界で羽ばたくべきだ。ただし、その場合でもその事業の顧客を喜ばせることを忘れてはならないことは言うまでもない。
次は日経マーケティングジャーナル誌の2月28日号に載っている招客招福というコラムにオラクルひと・しくみ研究所の小阪さんが書いている記事である。
ある会社が社内を活性化するために「日本一のスタッフ名鑑」というカラー写真入りの社員紹介名簿を作成したそうだ。そしてその紹介文を本人ではなく、他人が書く、しかも褒めて書くそうだ。たとえば、「誰とでもすぐ会話ができる特技を持っている」と言った紹介文や、「万年好青年」といった肩書きがつけられていると言うから、楽しいではないか。この会社には「お客さんや社内の仲間を喜ばせる」というテーマがあるという。
そしてそのスタッフ曰く「他人の良いところを書いていると、その人のことが好きになる。」そうだ。
この言葉には、すごく感動した。
もちろん顧客に喜んでもらうというのはビジネスの基本だが、それに加えて社員にも喜んでもらう重要性を再認識した次第である。
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