11月に入ってから、グーグルが携帯電話用の基本ソフトウエア(OSなど)を開発して、無償で通信会社やハードウエアメーカーに提供するというニュースが発表され、それに対してマイクロソフトをはじめとして競合がどうなるのかという記事が続いている。
日経の見出しだけ見ても、
「グーグル、無償で携帯ソフト」11/6
「携帯基本ソフト、グーグル、無償提供、メール・閲覧も、ドコモなど33社と提供」11/6「マイクロソフト OS搭載携帯 出荷が倍増 グーグル参入、影響は限定的」11/6
「優位性は変わらない、英シンビアンのクリフォードCEO]11/7
「無償ソフト、グーグルが携帯向けも マイクロソフトに転機」11/13
と目白押しである。
既存のOSメーカーであるシンビアンとマイクロソフトの製品が有料なのに対して、グーグルは無料を打ち出している点に特徴がある。グーグルは携帯電話でも、広告で稼ぐつもりなのであろう。うまくいくかどうかは別として、その徹底度合いには頭が下がる。
ちなみに新聞報道によれば、直近時点でシンビアンをOSとして採用している携帯端末が6千万台に対して、マイクロソフトのWindowsMobileを採用している端末は2千万台という。もちろん携帯電話の総端末数は数億台であるから、まだまだ白地のマーケットは大きい。議論のポイントは、一体どこが携帯のOSないしはビジネスの覇権を握るかという話である。
翻ってみれば、マイクロソフトもグーグルも元々は携帯電話とはなんの関係もないビジネスをやっていたのが、ともに携帯電話を重視し始め、そこで場外乱闘ならぬ異業種格闘技を始めているのだからおもしろい。PCでマイクロソフトにOSを独占され、収益が上げられずに苦しんだメーカーがたくさんあった中で、マイクロソフトが携帯でもOSを独占出来るとしたらこれはすごいことだ。
それに加えて、グーグルまで参入となると、いったいどうなることやら、はたまたこうした新興勢力に対して元々の先住民族である通信会社系のシンビアンがどう巻き返しに出るのかも興味深い。この場外乱闘にはアップルもiPhoneをひっさげて参入しているわけで、さらに幅広い業種格闘技が繰り広げられている。
そのフィールドに日本のメーカーや通信会社、IT企業が有力なプレーヤーとして参加していないのは少し寂しい。
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