EU(European Union:欧州連合)の欧州委員会と早稲田大学がジョイントで行っているプログラムにETPがある。ETPとは "The Executive Training Programme" の略で、日本市場で活躍するビジネスマンを養成するためのプログラムで、EUがスポンサーで日本でのプログラム運営を早稲田大学商学研究科が担っている。
講義科目には、ビジネススクール的な科目も多く、私もマーケティングの科目を2回担当している。その一回目が先週の金曜日に行われた。日本独特のプロモーションについて、事例を交えて語ったのであるが、学生の反応もよく、喜んでくれたのではないかと思う。
そのときの講義風景である。
また、各科目とも企業の一線で活躍しているビジネスマンをゲストとして呼んでいるが、私が講義をした後のコマに登場したゲストが前ソニーCEOで現在ソニー生命の会長である安藤国威氏であった。
安藤さんとは久しぶりの再会だったので、講演を拝聴し、その後学生との懇親会にも一緒させていただいた。
安藤さんの話に聞き入る受講生たち
安藤さんは、動の出井さん(前ソニー会長)に対して、静のイメージがあるが、実際は陽気でお話上手な動の経営者である。
当日の話のポイントは、ソニーというは創業当時から世の中にないものを作り出していくというDNAがあった会社だと言うことを、井深大氏(ソニーの創業者で、早稲田大学OB)がしたためた設立趣意書を紹介しながら語っていた。ソニーは日本の他のエレクトロニクス企業と違って、最初から社名に電気(電機)をつけなかった話なども興味深かった。
また以前のソニーはキーコンポーネントを自作することで、製品差別化を図れたのが、デジタル時代にはそれが難しくなった話とか、ソニーにはイノベーターズジレンマの事例がたくさんあると言う話をしていた。
具体的には、プレイステーション、トリニトロン、ウォークマンなどを紹介していた。
講義終了後に、安藤さんを囲んで受講生と記念写真
イノベーターズジレンマについては、2007年9月7日付の「PS3とイノベーターズジレンマ」を参照してください。これ以外にもいくつかの記事がありますので、興味のある方は右の欄にある「サイト内検索」のボックス内に「イノベーターズジレンマ」と入れて検索するといくつか出てきます。
安藤さんの講演が終わった後は、大学そばのレストランで懇親会があったが、安藤さんが欧州からの参加者の質問にいつまでも熱心に楽しそうに答えているのが印象的だった。
EUからの参加者と歓談する安藤さん
左側の人物がこのETPプログラム全体を仕切っている、早稲田大学商学研究科准教授の池上重輔さん
ETPの詳細について、興味がある方は下記のサイトをご覧ください。
http://www.etp.org/
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とても魅力的な記事でした。
また遊びにきます。
ありがとうございます。