今回の大隈塾「リーダーシップ論」のゲストはキヤノン会長で日本経団連会長でもある御手洗冨士男氏だった。
テーマもそのものずばり、「リーダーのあるべき姿」で受講生には学ぶことが多かったのではないかと思う。
それにしても毎回これだけのゲストに来てもらって、リーダーとは何かを学ぶことの出来る学生たちは幸せだなと思う。
御手洗氏によると、リーダーに求められる条件は3つあるという。
①自分で経営目標を立てること
これを間違えると国も企業も滅びるからだそうだ。
②自分の考えを明確にする&責任のあり方をはっきりさせる
これはセットだそうだ。同感である。
自分の考えをはっきりさせるためには、繰り返しコミュニケーションすることが大事と述べていたが、これは多くの経営者が伝えるところと同じである。
③決断力
これも異論はないと思うが、新しいことを始める決断は難しくないが、何かから撤退する決断が難しいと述べていたのが印象に残っている。
個人的に一番気に入った言葉は「経営は合理的であるべき、しかし一様ではない」という言葉で、やたらアメリカのやり方をそのままグローバルスタンダードして当てはめている最近の風潮に警鐘を鳴らしたのではないかと受け取った。
御手洗氏によると、何が合理的かは時代や国によって異なるので、すべてに同じルール・基準を当てはめるのは実は合理的でないということになる。
クラスの学生からの質問の質がいつになく高かったのは、学生が進歩しているのか、御手洗さんだから張り切ったのか、それとも私の気のせいか?
過去の講義風景は下記の大隈塾「リーダーシップ論」URLを参照ください。
http://www.w-int.jp/education/okumajuku/info.html
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内田先生
お久しぶりです。先日はアカデミーヒルズで開催された講演会にお伺い致しました。久しぶりにトールゲートのお話をきき、新たらチャリンチャリンのシステムを構築しなければと思った次第です。
御手洗さんのリーダーシップのお話は面白いですね。以前内田先生はこれからはサーバントーリーダーシップというのも重要であるとコメントされていたように思います。ドラッカーはリーダーシップとは仕事だと言っており奥が深いテーマです。個人的には、その人が居るだけで皆が纏まるというのが理想なのですが、その人物は疲れるだろうな・・と思う今日この頃です。
リーダーのあるべき(求められる)姿は、その会社の置かれている状況(黎明期、成長期、成熟期、衰退期)や社会環境により変わってくるものだと思います。
一概に"これだ!”という明確なリーダー論がなく、「先見性」「決断力」「責任感」「信念」など一般社員にも必要なものとしてあてはまるような言葉がでてくるのもそのためだからではないでしょうか?
今の時代、リーダーに求められているのは、「高い倫理観」ではないでしょうか?
最近、食品の偽装問題や製品事故等でみられる倫理観の欠如を感じてそう思いました。
それよりも、「どうやったら優秀なリーダーが育つのか」
というテーマの方が興味があります。
リーダー論・・・・・
正解は見つけにくいですね~
義堂さんへ
リーダーシップは確かに奥が深いです。
私の持論はリーダーシップには正論もなければ、シングルアンサーはないというものです。
だとしたら、どうすればいいのだと言うことにもう少し具体的な指針を与えられたらいいなと思う今日この頃です。
keyさんへ
確かに、高い倫理観というのはヨーロッパ貴族のノブレス・オブリージ(noblesse oblige)に通じるものがあると思います。
どうしたら、優れたリーダーが育つか?
私は仕組み(環境整備)と個人の資質のかけ算だと思っています。いくら優れたリーダー育成プログラムがあっても、それにふさわしい潜在能力を持った人間がいなければ人は育たないし、いくら優秀な人材でも厳しい試練をくぐり抜けていかないと良いリーダーにはならないのではと思っています。証拠はないですが・・・。