最近異業種がタイアップしてユニークな商品を発売する例が多い。
皆さんがよく知っているところで言えば、サントリーと京都のお茶の老舗福寿園がコラボレーションした「伊右衛門」、ユニクロと東レが共同開発した「ヒートテック」などがあげられる。
こうした企業のコラボレーションについてはもちろん昔から存在したが、最近特に増えている。市場が成熟化し、競争が激化している中で、業界内の発想だけでは商品開発に限界が来ている、あるいは差別化が難しいことが要因と思われる。
ところがこうしたコラボレーション商品については、それぞれの商品について話題になることは多くても、体系的に取り上げられることはあまりなかった。
それに対して意欲的な研究を行ったのが、学部のゼミ生であった武藤美穂である。彼女は「コラボレーション商品の分類と考察」というタイトルで卒業論文を書いたのであるが、その成果が認められて、その論文(抜粋)が今月発行された「日経広告研究所所報246号」に掲載された。
ごく簡単に内容を説明すると、コラボレーション商品には大きく分けて広告宣伝が目的の「キャンペーン型」商品と製品差別化をイメージ面で行う[ブランド拝借型]、さらには製品差別化を機能面で図る[共同開発型]の3通りがあるとしている。
上に述べた伊右衛門は2番目のブランド拝借型であり、ヒートテックは3番目の共同開発型となる。一番目の代表例としてはTBSテレビのドラマ「華麗なる一族」(2007年)にあやかって発売された山崎パンの[華麗パン]があげられる。
彼女はこうしてコラボレーション商品を分類した上で、それぞれのパターンの成功要因や課題について掘り下げている。
発行元の許可を得て全文を掲載するので、興味のある方はご覧ください。
武藤美穂「コラボレーション商品の分類と考察」日経広告研究所所報246号「COLLABORATION.pdf」をダウンロード
さらに興味を持った方は私宛メールをいただければ、さらに詳細な内容の卒業論文そのものをPDFファイルで送付します。
ちなみにごく最近の日経ビジネス(2009年8月10日・17日合併号)でも商品開発特集の中でロッテのコラボレーション商品戦略が取り上げられていた。
武藤美穂の先見性に脱帽である。
ちなみに武藤さんは今年から某日用品メーカーで働いており、現在は営業だが、将来は商品開発部門でその能力を発揮してくれるのではないかと大いに期待している。
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