先週の土曜日9月10日第2回目の早稲田ビジネススクールの入試説明会WBSフェアが行われた。7月に行われた第1回と同じく大勢に人が来てくれたが、そこでの教員パネルディスカッションで私はこういう発言をした。
ビジネススクールの価値は何で決まるか、多くの人がそこで提供される教育の質であると言い、そのためにはどんなカリキュラムが提供され、そこで教える教師の質が大事だと言う。あるいは大学のブランドやネームバリューだという人も多い。
私は必ずしもこれに賛成しない。もちろん教育の質がビジネススクールの価値の一部であることは認めるがそれが全てではない。
私の主張は「ビジネススクールの価値は、入り口(生徒の質)、過程(教育の質)、出口(卒業生の活躍)」の3つであり、この3つのどれが欠けても一流のビジネススクールにはなり得ないというものです。さらに最後の出口で活躍するためには在学時に培ったネットワークが大きな役割を果たすというものです。
この3つを充実させるためにビジネススクールは、一人でも多くの受験生を集めて入ってくる学生の質を確保しようとし、入ってきた学生に対しては『教材と教師と学生』の3つがお互いに相手を刺激しあうことで教育の質を高めようとしています。既にビジネスクールを卒業したり、在学中の方は分かると思いますが、いくら言い教材で教師が優秀でも、そこに参加している学生の質が低いと良い議論が展開されず、せっかくクラスで学ぶ意義が半減します。逆に言えば、その先生の書いた本を読めば十分と言うことになってしまいます。
さらに卒業生に活躍してもらうためには、卒業生を支援するリクルーティング活動のサポート、同窓会活動の充実などがカギとなります。早稲田に関しては最後の同窓生のサポートがこれから一番の課題になると思っています。
私の持論は教わった知識は時間と共に陳腐化し価値が下がっていくが、ビジネススクールで培ったネットワークは時間と共に価値を増すです。というものも、ビジネスクールではその時点での最新の経営ノウハウや学説を教えますが、これらはやがて時代遅れになります。あるいは記憶から欠落していきます。
一方で、ビジネススクール時代に仲良くなった友人や知り合った人々は時代共に偉くなったり、自分のネットワークを広げてより大きな存在になります。そういう人たちに、若いときから、かつ利害関係なく知り合いになれるというのは何物にも代え難い価値だと思います。
ところで、先月私の出身ビジネススクールの慶応ビジネススクールOB会主催のストラテジックインサイトセミナーで講演した内容のさわりだけですが、KBSのOB会ホームページに掲載されているので、ご覧ください。これも私にとってはかけがえのないネットワークです。
http://www.kbs-obkai.com/event/seminar/19th_sis.html
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