私の大好きな経営者に、前ダイエー社長の樋口泰行さんがいる。
彼の魅力を一言で言えば、現場の気持ちが分かる男である。彼は自分が経営する会社では、現場に入り込んで、現場の従業員の気持ちを理解しようとする。現場を重視するが故に、ゆっくりした意思決定に見えることもあるが、それが彼のスタイルであり、やがてきちんと結果を出す経営者である。
かつて勤めていたコンパックでもそうやって、PC事業を成功させていた。だからこそ、被買収会社の幹部というハンディがありながらも買収会社日本HPの社長になることが出来たのだと思う。この間まで社長をやっていたダイエーでも、そうやって中堅幹部の気持ちをつかんでいたようだ。
樋口さんとのつきあいは10数年に及ぶが、彼がまだ若い頃、何人かで一緒に飲みに行ったことがある。そのとき、初めての街で誰もどの飲み屋さんが安心して飲める店か分からず、困ってしまったことがあった。そのときである、樋口さんがとある店にすーっと入って行き、ニコニコこして店から戻ってきた。そして、「経営者と交渉して、一人1万円ぽっきりでお願いしましたから大丈夫です」と、真顔で言うのでみんなでその店に入り、楽しいひとときを過ごしたことがあった。
それ以来、私はすっかり樋口ファンになりました。ちなみに彼は私がこの話をするのをいやがります。こんなところに書いてしまってごめんなさい。
もちろん、これが理由で樋口さんを買っているわけではなく、経営者としての樋口さんを買っているので誤解のないようにお願いします。
現在は次の仕事を目指して浪人中であるが、きっとまたどこかの経営者になって成功するだろうと思っています。
この記事へのトラックバックはありません。
雑誌の記者をやっている清嶋と申します。
樋口さんは、私もある大学の講演会で本人のお話を聞いてファンになりました。とても真面目で、「ハーバードビジネススクールの授業はめちゃくちゃきつかった」などと率直に話をされていました。頭のいい方なのに、そういうところは表に見せません。あのような経営者の下で働けることは幸せだと思います。
清嶋さんへ
コメントありがとうございます。樋口さんは特に若い人に人気があります。もちろんシニアからも好かれていますが、彼の神髄はリーダーとしての徳にあるのかも知れません。(褒め過ぎか?)
機会があれば彼の壮行会をやろうと思います。是非参加してください。
愚直論 マイクロソフト新社長樋口泰行さんの自伝的ビジネス論
愚直論 マイクロソフト新社長樋口泰行氏の自伝的ビジネス論