早稲田ビジネススクールの「戦略とリーダーシップ」の昨日のゲストはボストン・コンサルティング・グループ日本代表の御立尚資(みたちたかし)氏でした。ちなみに彼はテレビ東京のワールドビジネスサテライト(なぜか略すと早稲田ビジネススクールと同じWBSになる)のコメンテーターとしても有名である。
盛りだくさんの内容でしたが、南極点到達一番乗りのアムンゼンと、二番手に終わった上に帰路に遭難死したスコットの比較がおもしろかった。御立氏によれば両者の成否を分けたのは戦略でも装備でもなく、意思の差が大きかったという。彼によればリーダーに必要な条件は3つあり、①Tenacity(しつこさ)、②Holistic View(全体観)、③Optimism(楽観)とのことだ。アムンゼンは犬ぞりに徹底的にこだわったのに対し、スコットは犬ぞりだけでなく、馬のそりや雪上車まで用意したという。ところがそれらが3つとも機能せず、最後は人が引く羽目になったという。さらに楽観・悲観については、スコットが南極点について「ここは本当に恐ろしいところだ」と書き記したのに対し、アムンゼンは南極点を目指す当日に「さあそろそろ行こうか」と行った明るいのりで出発したという。
講演の最後に出た質問がおもしろかった。日本の経営者はどうも引き際が悪いのではないか、それもリーダーシップの大事な条件にあげて欲しいという質問だったが、御立さんの答えが振るっていた。日本人の経営者の何十倍もの報酬をもらって、後顧の憂いのないはずのアメリカの経営者も往生際の悪さでは負けていない。日本の経営者が今の何倍かの報酬をもらうようになったら、アメリカの経営者よりよほどきれいにやめるのではないかという意見で、教室の笑いを誘っていた。
聴講していた先生のコメントによれば、非常に親しみを感じる兄貴分のようなリーダーだったと言うことだ。
この記事へのトラックバックはありません。
BCG御立日本代表 講義レポート
4月25日にあった『戦略とリーダーシップ』の授業につてい、BCG日本代表である御立さんのレポートをUPしておきます。
これだけだとわからないと思うので、詳しい内容は、今後、数回にわけてUPしたいと思います。
御立さんは、あくまでコンサルタントの立場で、自身の…