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蜜蜂の大量死

ヨーロッパに来て、こちらの友人からはじめて聞いた話であるが、アメリカやヨーロッパで蜜蜂が大量に死んでおり、その連鎖の影響を心配しているとの話である。
ここ2-3年、アメリカを中心に蜜蜂の巣を飛び立った働き蜂が巣に全く戻らないためにそこに残された女王蜂や幼虫が栄養不足で死んでしまい、結局ほとんど群ごと全滅してしまう現象が発生しているそうである。CCD(Colony Collapse Disorder、日本語にすれば巣群崩壊症候群とでも訳すのであろうか)と呼ばれるそうだが、一時的には蜂蜜の価格の高騰につながるわけであるが、それ以上に深刻なのは蜜蜂が媒介して受粉を行う植物類が将来激減してしまうのではないかと言うことらしい。具体的にはリンゴ、アーモンド、柑橘類などがそれにあたるそうである。
原因についても、伝染病説や免疫弱体化説(人間で言えばエイズのようなものか?)あるいは遺伝子組み換え技術採用の植物が増えて蜂が蜜を採取できなくなったなど(友人はこれを信じていたようだが、私はにわかには信じがたかった)、今のところ諸説入り乱れているようだ。
友人はアル・ゴアの不都合な真実などとリンクして、地球環境の将来を心配していたが、その当たりはどんなものであろうか。もちろん生物や自然環境は私の専門分野ではないが、日本では聞いたことがなかったもので、紹介しておく。

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コメント

    • くぼっち
    • 2007年 5月 03日

    困った時のwikipediaということで調べてみると、アメリカやヨーロッパでは良く知られた現象のようですね。しかも原因はいまだに判明してないとか。原因が特定できない以上、環境問題に関連付けて大騒ぎするのも論理的ではないのですが、私はもともと環境NGOのメンバーだったのでこういう事象はどうしても気になってしまうのです。
    環境問題は複雑系なので、何が原因かは迂闊に決められないのですが、ゆっくりと原因を特定しているうちに事態が悪化して、もう取り返しがつかない事態に陥ってしまうという厄介な側面があります。私も今は転職したばかりで、ビジネス上のパフォーマンスを上げなければならない大切な時期なのですが、その一方で地球環境はビジネスのことだけ考えている場合じゃないくらい危険な状態になっているようにも思い、複雑な心境です。
    CCDが地球環境悪化のせいだと判明していないのに強引な論理展開だと理解しつつ、ここから先は私個人の心情発露でしかないのですが、大きなパラダイムで考えて、企業が目の前の業績だけ追っている段階はもう終わりにして欲しいと思っています。もっとより良い社会を作るとか、人類が生き残るために企業の資本力を使って何がしかの寄与をするとか、社会的に意義のある行動を企業がイニシアチブを取って行動すると、そこで働く従業員も誇りに思い、モチベーションも高まると思うのです。特に環境教育を学校で受けている90年代後半から社会人となった社員はそういう傾向をはっきりと持っています。たとえ企業の環境行動を消費者が評価してくれなくても、それは陰徳として蓄積されるはずです。陰徳は企業価値に換算できませんが、株価やレベニュー以上に大切なものがあるはずです。
    私の思考は環境保護の方向にバイアスがかかっているので中立的な思考ができませんが、贔屓目に見ても地球温暖化は進んでいるし、事態の深刻さに比べて国家や企業や市民のアクションが鈍いように思います。せめて感度の高いビジネスセクターの人たちが、日々の熾烈な経済活動を行うと同時に、環境問題に幾ばくかの興味関心を持ってくれたら素敵だなぁと思っております。

    • 内田和成
    • 2007年 5月 04日

    くぼっちさんへ
    確かに、何が原因か分からない段階で大騒ぎするのはどうかなと思う意見と、そんなことを言ってるうちに手遅れになってしまうと言う意見があると思います。エイズは手遅れになってしまったという点で、後者の代表例でしょうね。
    私は今の段階で、この問題を大騒ぎするつもりはなく、日本ではまだあまり知られていないかなと思ってので取り上げました。
    個人的にはこれからこうした問題が多発し、すでに富を享受して少しは環境問題などに取り組まなくてはいけないと考える先進国とこれから経済発展をするためには多少のマイナスはやむを得ないと考える発展途上国の間で、大きな論争になりそうな気がします。

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