ハンガリーのブダペストに来ている。ウィーンからドナウ川を船で下ってやってきたが、なかなか出来ない体験でおもしろかった。途中、水位の高低差を解消するためのドックが2カ所あったが、一カ所は上流と下流の水位差が18mもあって驚いた。
写真のドックで、水に濡れた部分が上部にまで至っているのが見て取れると思います。
一方、下の写真は船がブダペストの港(もちろん川岸です)に着く前に取ったハンガリーの国会議事堂であるが、とても美しい。
ブダペストでは、日本の新潟にある事業創造大学の学長の中澤さんから紹介を受けて、ハンガリー在住10数年の盛田常夫さんにお会いした。
盛田さんは、元々学者であるが、大学からハンガリーに研究に来てこちらが気に入り、その後野村総合研究所を経て現在はこちらでハンガリー立山研究所の社長をされている方である。すてきなハンガリー人の奥さんとご一緒に、素晴らしい庭のあるレストランでハンガリー料理をごちそうになりながら、ハンガリー事情や東欧事情をお伺いした。
皆さんもご承知のようにハンガリーは元々共産主義国家で、民主化の結果、社会主義国家でなくなり現在はEUにも加盟しているが、盛田氏によれば、その民主化の仕方は同じ共産主義国家のソ連とは大きく違うそうである。
ソ連などは、ソ連崩壊でロシアをはじめとする国々に分裂した際に、元々の共産主義政権の中枢を担っていた人たちがかなりうまく立ち回って、結果として数多くの富豪が誕生した。もちろん石油・天然ガスなどの天然資源が豊富にあったことも影響しているが、それ以上に時の権力者たちがかなりあくどいこともやって現在に至ったそうである。
それに対してハンガリーは元々大統領が私財をため込まなかったことや国にたいした資源がなかったこともあって、ロシアのようなダイナミックかつ偏った国家財産の再配分は起きなかったそうである。ロシア・ハンガリー以外にもチェコのことなどもふまえて社会主義政権崩壊時に富の再配分がどう行われたのかを研究し、いくつかのパターンに分類されていると聞いた。
日本ではなかなかお目にかかれない研究で、大変興味深かった。
なお盛田さんは、自分のホームページを持っていて積極的に情報発信されているので、ハンガリーや東欧に興味のある方は是非ご覧ください。
URLは以下の通りです。
http://morita.tateyama.hu/index.htm
上に述べたロシアの富豪誕生の背景などの論文もアップされているようです。
この後はプラハを経由して日本に戻る予定です。
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