一昨日より私が教えている早稲田大学が全学休校となってしまった。理由は、ニュースなどでご承知かと思うが麻疹(はしか)のためである。
いい年をした大人がはしかにかかるのかとびっくりしたが、昔と違って今の子供たちは小さいころにはしかの予防接種をしていないらしい。というのもほとんど麻疹にかかる人がいないので、副作用の心配のある予防接種を無理に受けなくても良いという親の判断も無理からぬことではある。
少し前にも撲滅したはずの結核が密かに復活して、はやっている人が多いという今回のはしか騒動と似たようなニュースが街を賑わした。この手の昔だったら当たり前だったことが、滅多に見られなくなり、そのうち誰も気にしなくなる、そうしてみんながまるで忘れてしまった頃に、突然復活して抵抗力のない人たちがばたばたと感染するなんてことが増えてきている気がする。
話は飛躍するが、私の心配していることははしかや結核のことではなく、日本人全般の抵抗力というか生存能力のことである。無菌豚みたいに、病原菌・細菌がいないところで飼育された動物と同じように、安全な環境で過ごすことに慣れてしまった我々日本人は、実は抵抗力が弱まっているのではないか。そのうち、ミネラルウォーターばかり飲み慣れた人々が、「水道水を飲んで数百人が病気になり入院したが、調べてみたら、通常の雑菌が発見されただけだった」なんてことにならないと良いなと真剣に心配しているのは私だけだろうか?
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