発売されたばかりの早稲田ビジネススクール・レビュー誌にBCG(ボストン コンサルティング グループ)とWBS(早稲田ビジネススクール)のコラボレーション企画が載っている。「付加価値を創造するヒント」がテーマで論文4本と対談1本で構成されている。対談はBCG日本代表の御立尚資さんが、多角化経営について帝人の長島社長と行っている。
私もWeb2.0のテーマを一本書いているが、それは読み飛ばしてもらうとして、是非目を通してもらいたい論文が2本ある。一本はWBS教授の相葉先生が書いてくれたネットワークアナリシスに関する論文であり、もう1本はBCGのパートナーである太田直樹さんが書いた組織変革の手法に関する論文である。
相葉さんの論文は「ネットワークアナリシスが組織と戦略を変える」というタイトルである。内容は、企業内の意思決定や情報伝達において、インフォーマル組織の持つ重要性が従来より指摘されてきたが、インフォーマルゆえ定量的に分析されたり、語られることはほとんどなかった。近年の情報技術の発達がコミュニケーション・フローの分析を可能にして、新たな領域を切り開いているという話である。
一方、太田さんの論文はBCGの持つPtoE(Pathways to Engagement)という手法を紹介したもので、組織の構成員の意欲も低く、規律も乱れている組織をいかにして「動機付けされて規律も整った組織」に変えていくかという内容である。それには、現状診断から始まって、それをどう解釈し、どんな道筋で変えていくのかという点に触れている。
ちなみに早稲田ビジネススクールレビューというのは、アメリカのHBR(ハーバード・ビジネス・レビュー)の早稲田ビジネススクール版で、経営に関する論文などが掲載されており、年2回刊行されている。HBRのような知名度がないのが残念であるが、書店で販売されているので、興味のある方は是非手に取ってみてください。
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BCG×WBS①
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