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物言わぬ顧客の声

研究室でプラスのコピーボードを使っているが、コピーボードに付属のレックスマークのプリンターのインクが切れた。
説明書を見たら、電話で注文が出来ることになっており、オッ便利だな、ヨドバシに行かなくて済む。「レックスマーク、なかなかやるな」と好印象。

しかし、そこから悲劇は始まった。
1)まず指定された電話番号03-6670-3091に電話すると番号が変わりましたとのテープが流れていた。ここまではああ電話番号が変わったんだと、特段不思議な感じはしなかった。
2)次に新しく指定された電話番号03-5651-5106にかけると、カスタマーサービス担当先がシャープに変わったので、フリーダイヤル0120-322-812へかけろとの指示、独自のコールセンターが成り立たないので業務委託したのだろうなと想いながらも、かなり嫌な予感。
3)携帯から上記フリーダイヤルにかけると、お客さまの電話からは通じませんという良くある着信拒否の案内。この番号にかけろって言ったのはそっちなのに、どうしてつないでくれないの。ここで少し頭に来る。
4)気を取り直して、固定電話から上記フリーダイヤルに電話、「ただいまオペレータにおつなぎしております。しばらくお待ちください。」のテープが繰り返される。「シャープいい暮らしストアです」とか言ってるが、どこがいい暮らしなのかと内心思いながら、辛抱強く待つ。
5)そして、そのままホールドすること10分、突然「ただいま電話が大変混み合っておりますので、しばらくしてからお掛け直しください」とアナウンスがあって、ブチッと電話が切れる。もちろん、私の血管もブチッと切れた。

内田の教訓:レックスマークのプリンタはいくら安くても買わない方が無難だな。

以前、アスクルの岩田社長からおもしろい話を聞いたことがある。最初アスクルのカタログには自社製品を売りたいために、キングジムのファイル(ファイルと言えばキングジムと言うくらいの定番商品)をおいていなかったそうだ。そしてお客さまから、キングジムのファイルがないのかと問い合わせがあると、同じ品質でこちらの方が安いから是非アスクルのファイルを買ってくださいと勧めていた。そうするとお客さんが納得して、それを買ってくれるので、ああお客さんは説明すれば分かってくれるんだと安心していたそうだ。ところが、しばらくしてどうも変だと思って追跡調査をしてみると、そのときはいったん納得してアスクルのファイルを買ってくれたお客は二度と戻ってきてくれなかったそうである。それ以降は、競合の商品でもなるべく揃えるようにして、今日の発展につながったそうだ。顧客が直接不満を言ってくれるケースは少なく、黙って他社へ逃げてしまうケースがほとんどであると言うことだ。

これを書いていたら、自分の別の経験も思い出した。もう7-8年も前になるが、デルコンピュータでPCを注文したら、送料が6千円と言われてびっくりした。多少高くても1000円から、せいぜい1500円がいいところだと思ったので、どうしてそんなに高いのかと尋ねると、シンガポールから配送するから高いと説明されたので、二度びっくり。どうしてシンガポールから日本への物流費を顧客が負担しないといけないのか、全く理解できなかった。どうしても買わないといけないPCだったの購入したが、それ以来デルからはPCを買っていない。もちろん、今はそんな高い送料は取っていないと思うし、説明もきちんとしたものに変わっていると思うが、それは確かめていない。

企業にとっての教訓:物言わない顧客の声に耳を傾けるのは難しい。

お詫び:この話はレックスマークやデルのマーケティングの不適切さを指摘することが目的ではなく、顧客の不満が顕在化する場合は対処のしようがあるが、不満を抱いたまま他へ行ってしまう顧客の声を聞くことは難しいと言うことを示すために使ったことをご理解ください。

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コメント

    • uomasa
    • 2007年 6月 19日

    まったくの同感です。
    私の家の近くに、クリーニングのフランチャイズ店があるのですが、そこのサービスは非常にひどいんです。
    お客さまを待たせているという意識が全くなく、私の前に2人しかいなかったのに、私の番まで20分ほどかかりました。更に、私が終わったころには7、8人待っていました。
    ただ手間取っているのであれば不満はありますが我慢は出来ます。
    そうではなく、店員同士で話をしながら、そしてキャッシャーも2台あるのに1台しか使わず。
    さらに、価格もワイシャツ315円とかなり高いんです。
    私の家の近くには、そこしかクリーニング屋がありません。
    独占状態であればサービスが最悪でも価格を吊り上げることが出来る。
    いくら経済理論がそうであっても、消費者としては不満が募るばかりです。

    • 内田和成
    • 2007年 6月 25日

    uomasaさんへ
    コメントありがとうございます。
    最後は顧客の声が通じると信じたいですね。

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