先週ゼミに日経新聞の編集局次長である野村裕知氏に来ていただいて、「新聞記者からみた日本の経営者」というテーマで話をしてもらった。
野村さんを知っている方も多いと思うが、彼は日経新聞のニューヨーク特派員や日経ビジネスの編集長、産業部長、証券部長などを歴任している。私とは10数年来の友人である。
野村氏によれば、バブル崩壊後、日本でも優れた経営者が出てきているという。野村氏は現代の経営者に必要な資質を豊富な具体例と一緒に解説してくれた。ここでは経営者の固有名詞は紹介しないが、その資質について触れておく。
一つ目は「現場力」だそうである。優れた経営者は、大所高所の話を本社にいてするだけではなく、現場の話や競争相手の製品の実際の使い勝手まで分かっていてそうだ。それによって現場にゆるみがなく、上から下まだびしっと決まっているそうである。
二つ目は「清貧、無私」をあげていたが、同感できる。あまりに自分中心や金儲け志向が強い世の中でこうした無私の精神が重要になっているということであろう。
三番目は「知力&体力」だそうだ。事業の見直し、リストラ、大型M&Aなどを、果断に意思決定し、実行していくためには知力だけでは不十分で体力も必要ということらしい。
4番目は「マイクロマネージャー」ということで、トップ自ら細かいところまで熟知して意思決定しているタイプである。一番目との違いは、単に知っているだけでなく、実際に行動したり、意思決定したりする点なのだと思う。
最後の五番目は「常識」だそうだ。これも最近のえっと耳を疑うような不祥事の連発を考えると、納得のできる話である。
これ以外にも、経営者の難しいのは引き際と後継者選びだという話も、そうだそうだと頷いていた。
野村さん、ありがとうございました。
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中国の出版社の要請により内田さんの「仮説思考」の紹介文章を書くため、ネットで内田さんの履歴を検索したところ、ここまで参りました。
びっくりしました。内田さんもブロッグを書くなんか考えたこともなかったですよ。しかし、今後とも是非読ませていただきたいと思います。
崔さんへ
仮説思考の中国版の件では、大変な尽力をしていただき、ありがとうございます。
できあがりを楽しみにしています。
また、私のブログを探し当ててくれたとのこと、大変感謝しております。
もし、気に入った記事などあれば、是非コメントを記入してください。