私の持論は医者とコンサルタントは似ているというものであり、どちらも技術(スキル)に加えて患者・顧客の気持ちを理解する心がないといい医者あるいはコンサルタントになれないというものである。これを称して、コンサルタントには「技」と「心」の両方が必要であると言っている。
私自身は決して人の気持ちがすぐ分かるという感受性豊かな人間ではないが、それなりに患者すなわち顧客の気持ちが分かるようになったのは、一つにはたくさん失敗して痛い目にあったことと、もう一つには意識してそちらの方を勉強したことがあると思う。
私が初期の頃にいろいろ読んだ中でも特に勉強になったのがこの本である。ご多分に漏れず、私の好きなハウツーものの一つであるが、その第一号かも知れない。原三郎さんの「必ず売るための発想力30」という本である。
損保の代理店のナンバーワンセールスマンがその売り方についての秘訣を伝授した本であるが、そこら中にラインマーカーが引いてある。今読み返しても勉強になる本である。営業とは「魅力学」である。ひたすらに自分を磨け!と帯の部分に書いてあるのが、この本の真髄かも知れない。
さわりだけを紹介しよう。
営業に行くと、「それはもう持っているからいらないよ」といった理由で断られるケースがよくありますが、相手の本心は「私は、あなたのことを魅力的に思わない。だから、あなたと話をしたくないし、契約もしたくないんだ」といっているに過ぎないのです。(p24)
どうです、思い当たる節はありませんか。だからこそセールスマンは、お客から「あ、福の神が来た」とか、「あ、おもしろそうな奴だな。たまたま暇だから、ちょっと会ってみようかな」と思わせることが大事だと説く。そして自分を魅力的な人間にするために投資を惜しむなと言う。
洞察力を磨く効果的トレーニングという節では、
「セールスをやる上で、もっとも重要な能力は何か」とたずねられたら、私は迷わず、洞察力と答えます。
お客さまが今何を考え、何を望んでいるのか、顔や目の表情、ちょっとした仕草から読み取る---これが洞察力です(p96)
後は現物を読んで感じ取ってください。
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