先日の日経新聞夕刊「教育」欄におもしろいコラムが載っていた。
ある学校で、名門中学の校長を招いての講演会が終わった後の父兄からの質問に「ウチの子はケアレスミスが多いのですが、どうしたらよいのでしょうか」と言うのがあったそうだ。聴衆の母親たちが答えを聞こうと一斉にペンを取ったところ、その校長が「勉強の時だけケアレスミスをする子なんていません。そういう子は普段の生活でもいろいろなミスを繰り返しているのです。自分の生活にきちんと目を向けて自己管理をできない子に、テストの時だけミスをするなと言っても無理ですよ、お母さん」
お母さんたちは痛いところ突かれてぐうの音も出なかったそうです。
この記事を読んで、恩師の嶋口先生から以前聞いた同じような話を思い出した。
それはキヤノン電子の酒巻社長の話だ。キヤノン電子では、駐車場のそばに植えてある樹木を傷めないように、車を後ろ向きに駐車場に止めることを禁止している。代わりに頭から突っ込んで駐車するように指示している。
そのルールを3回破った社員を辞めさせたという話だ。たかが車の止め方を3回間違えたくらいで、とんでもないという方もいると思うが、そうした基本的なことのできない社員は会社のもっと大事な仕事でもミスをするからだそうだ。
この怖い話に興味のある方は、下記のサイトに詳しいのでご覧ください。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/eco/special/061215_fushouji3/index3.html
トイレがきれいな工場の製品は品質が高いという日本電産の話にも通じるな。
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キャノン電子さんの話、まずいなあという気がする。本当に後ろから止めただけで、退職とは。
本当はしっかり意味を伝えて叱って一緒になって考えるという双方向性のやりとりが必要。堂々という酒巻社長は正直なのはいいが、感覚がおかしい。こういう時代なのか、今は。
以前、取引先のベテランの営業さんから聞いた話し。ゴミ箱をチェックすると相手の会社の体質が分かると言っていました。ゴミ箱が一杯になっても放っておくような会社は、管理体制にも問題があるそうです。あの時の身の引き締まるような気持ちを思い出しました。
今出M1星雲さんへ
この命題に関する考え方はいろいろでしょうね。個人的には賛成しかねると思うのですが、実際に優れた企業にはここに書いたような話が多いです。ということは、一事が万事という考え方は組織経営には大事な要素と言うことだと思います。
故事にある「泣いて馬謖を斬る」もこれに通じるところがあると思います。
みみずさんへ
コメントありがとうございます。
会社訪問したときに、そこのトイレを見れば製品の品質の予測がつくという話も聞いたことがあります。
そういえば、学生時代、某デパートでバイトをしていたときに、休憩時間の休憩室のおねーさんたちの会話や仕草、タバコぷかぷかに無茶苦茶驚いたことがあったな。
コメントへの丁寧な回答ありがとうございます。
下記2つのことを感じております。
1つは社会的通念と経営評価ということ。
「大黒柱に車をつけよ」というジャスコさんの経営の考え方は経営的には評価できるけれど、ジャスコに買い物にいっているロイヤルカスタマーには、受け入れがたい。
もうひとつは、経営者と従業員との関係。
経営者の資質の問題なのか、従業員の資質の問題なのか、両者の関係性の問題なのか。
私なんかは、後藤清一さんの「叱り叱られの記」
に面白みを感じてしまう。
一事が万事ということ頭では理解できるが、実行はむずかしい。こういった視点でこのブログを見つめていきながら、自分を見つめていこうと思います。これからもよろしくお願いします。