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商社のビジネスモデル

先月の16日に早稲田大学の井深大記念ホールで、リクルートイベントとして丸紅の朝田社長との対談を実施した。
その様子が先週の読売新聞に載ったので簡単に内容を紹介しておこう。

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一言で言えば、商社は以前のような口銭を主体としたビジネスからビジネスモデルの変更を行い、自ら投資を行ってリスクを取る形の事業へ変貌を遂げたと言うことだ。
はやりの言葉を使えば、これまでは水平分業型の事業モデルで、メーカーや小売りの間に入って販売代理や斡旋の機能を果たしていた。それに対して、最近の商社は川上や川下に出て行くことでバリューチェーンの垂直統合を目指す形に変わりつつある。具体的には天然資源の鉱区を押さえたり、港の港湾施設を自前で持ったり、流通業のSCMを自らの設備を駆使して手伝ったりしているのがわかりやすい例であろう。
そうすることによって利幅は大きくなっているかも知れないが、リスクも大きくなっていることは言うまでもない。今後の商社はこのリスクをどうコントロールするかがきわめて重要であると朝田氏も強調していた。

もう一点、私が述べたのは商社に必要な人材はこれまでの営業マンからプロデューサーに変わってきている点である。すなわち、ものを右から左へ流す人でなく、新たなビジネスを生み出せる能力を持った人が求められていると言うことである

しかし、私が商社がすごいなと思うのは、私の大学時代から「商社冬の時代」とか「商社無用論」とか叫ばれており、何度となく同じようなことを言われながらも今日に業態として生き残っていることである。これほどまでにダメだダメだと言われながらも、依然として収益を上げ続け、就職戦線での人気もかげりを見せない、きわめて希有な存在である。そういう意味できわめて生命力の強い総合商社であるが、翻って考えてみれば、商社は人が唯一の財産であり、その人材が思う存分働ける限りは商社は輝き続けるのかも知れない。結局、商社のビジネスモデルとは、人につきるのではないか。

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コメント

    • 2008年 11月 26日

    前職にいた時、商社のビジネスモデルについて考えたことがありますのでコメントさせて頂きたいと思います。
    商社の利益の大半は投資によるものだそうです。それらの投資に関しては、メーカーの投資に比べると、実にローリスクだと思います。
    商社独自で投資することが少なくパートナー(メーカーとか)とともに投資するのが多いようです。20%~30%ぐらいの株式しか保有しない投資案件が多いので損をしても大した損にならないと思います。また、色々な業界へ投資しているから分散投資となるかもしれない。
    従って投資リスクのコントロールに関しては、共同投資のパートナーの絞込みに力を入れればいいと思います
    (こう言うのが簡単ですが、実際やるときっと大変でしょう)。
    内田先生はどう思われますか。

    • 内田和成
    • 2008年 12月 07日

    崔さんへ
    久しぶりです。
    商社の投資は分散しているのでリスクが少ないというのは少し短絡的な見方かなと思います。
    というのも、マイナーな出資だと経営に意見が挟めず他人任せになったり、おつきあいなのでと投資基準が甘くなったりするためです。
    そのため数年前までの商社の投資は屍累々の失敗だらけでした。
    どう思います?

    • 2008年 12月 09日

    内田先生へ
    御返答有難うございました。
    私自身は商社の業績好調な時点に海外支店に入社したためそれまでの失敗にはよく知りませんでしたが、よくよく考えると、確かに御指摘のように、分散投資とマイナー出資だといっても直接にローリスクに繋がらないです。
    商社が投資を行う上で「ものをいえる」株主にならなければいけません。となると、投資の分析、実行と事業を成長させるのを担当する商社プロフェッショナルが重要になります。また、商社プロフェッショナルの育成にはシステム的には考えなければいならないと思います。
    だだのサラリーマン的な商社マンだけでは、商社の投資を成功させることができないと思います。
    巨大な組織で、各事業グループ及びユニットで起業家精神を燃やす社員を見つけ出し成長させていく雰囲気をどうやって作ったり保ったりしていくかは、商社のこれからの大きな課題のひとつではないかと思います。

    • 近江商人
    • 2009年 3月 09日

    内田先生へ、
     内田先生と崔さんご指摘の通り、起業家的な人材、事業経営者育成が総合商社の目前の課題です。自分も含めて長らく「(他人の)商品を大量に右左にして稼ぐ」ということをやってきました
    ので、急に「明日から○○事業を経営せよ」と
    言われても出来ない訳です。大手商社は子会社群
    をどこも500社以上抱えており、今後気の遠くなるような人数の経営者を育成していかねばなりません。
     どうやって育成するか、未だこれだ!という
    確実な答えはありませんが、自分は昨年より会社に対して「国内MBAで働きながら1-2年勉強するのはどうか」という提案をしてきました。確かに海外MBAには定期で人を出していますが、2年間仕事から離れる為会社の機会損失にもなる訳です。しかも人数が少ない。それよりも費用面でより
    Reasonableで学んだことを即実務に活かせるということを鑑み、国内MBAに中堅幹部を出したらどうかという主旨です。
     うちの会社は必ず「じゃあお前、その効果はどうなんや、実際出来るんか?」と訊いてきますので、自分で身を持って実証すべきと思い、実は昨年WBS夜間主を受験、4月よりグローバルマネジメント系で勉強する許可を頂きました。
     ということで、4月に11号館で内田先生から
    ご指導いただけることを楽しみしています。
    決して冒険主義的ではなく、わが社の経営者育成の尖兵としての責任を肩に感じながら参ります。何卒よろしくお願い致します。

    • 内田和成
    • 2009年 3月 18日

    近江商人さんへ
    Welcome to WBS(早稲田大学ビジネススクール)です。
    モジュールは違っても、講義などで会うことになると思いますので、楽しみに待っています。
    今月末の合宿に参加されるようであれば、そのときにでも声をかけてください。

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