先週土曜日の日経新聞にアラブ首長国連邦のドバイの資金繰りが悪化し、それが世界的株安を引き起こしたという記事が載っていた。その後一週間でその影響は世界中に伝播している。リーマンショックの時もそうだが、崩壊まではじわじわと進んでなかなか倒れないくせに、いったんダメになった後の影響はあっという間に他に伝染する。
実は1年ちょっと前にドバイを訪問したときに既にバブルは崩壊し始めていた。それを肌で感じたし、どうして現地の人はこの繁栄がずっと続くと信じているのだろうと不思議に思った。それは以前のブログ「ドバイの不思議」を見て頂くとよく分かる。
しかし、それが実際に経済危機に発展するまで1年以上かかったことは、大変興味深い。バブルの輪の中にいると、ついついもう少し大丈夫と思ってしまうのであろう。20年前の日本のバブルの時には、私自身が日本にいたためにその崩壊を予測できなかった。正確に言えば、いつか来るかも知れないが、今ではないと思い続けてしまったのである。
岡目八目とは言い得て妙である。
今回の日経の記事では相変わらずショッピングセンターでは人手が多く賑わっていると書いてある。一方で、投資はストップし、不動産開発は中断しているともある。日本のバブルが崩壊したときと同じ現象だ。
当時日本にやってきた外人の友人たちが、六本木や渋谷を訪問しては、私にどこが不景気なんだと問い詰めたのを思い出す。庶民は強い。あるいは実需は底堅いと言うことであろう。
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