ブログ

走り、盛り、名残

先日、寿司屋さんで旬には「走り、盛り、名残(なごり)」の3つがあると教わった。
もちろん、走りとは出始めという意味で、今なら鮎が走りであろう。少し前の5月なら、初鰹がそれに当たる。
盛りは文字通り、今が旬の盛りの意味で、一番おいしい時期に他ならない。今ならサクランボが旬かも知れない。
一方で、名残とはぼちぼち食べられるのが最後になるかという時期で、どちらかというとおいしさよりは名残惜しさの方が勝るかも知れない。今なら桜えびが名残かも知れない。

考えてみれば、人にも企業にもこのたとえは当てはまりそうだ。
企業であれば、創業間もない内は走りと言っていいので、若さに任せて突っ走っても、何とかなるし、世間も許してくれるかも知れない。グローバルで言えばフェースブックや電気自動車のテスラなどが相当し、日本で言えばDeNAやグリーなどがそれに当たる。
一方で盛りの企業としては、ファーストリテイリング(ユニクロ)、グーグルなどが該当しよう。これまでは何も考えずに突っ走ってきたが、一度これまでを振り返りつつ、今後のあり方を考えるタイミングとも言えいる。
名残の企業とは、一度は栄華を極めたが、今は盛りを過ぎて下り坂に入っている企業、日本であればソニー、海外であればマイクロソフトなどが上げられる。
もう一回りして、もう一度旬を迎えるには相当な努力が必要であろう。

人間であれば、30歳くらいまでが走りで、30歳から50歳代が盛り、60歳以降が名残になるのかも知れない。
私自身は有名なサミュエル・ウルマンの青春の詩にある「青春とは人生のある期間を指すのではなく、 心の持ち様をいう。」を信じている口で、自分がまだ名残とは思っていないが、そうは言っても盛りでないことは間違いない。
名残には名残にふさわしい生き様があると思うので、それにふさわしい生き方をしたいものだと考えている。

関連記事

  1. 引き続き休暇中
  2. 振り込み詐欺の被害?
  3. 招かれざる客
  4. 常識の罠
  5. 事実の発見と価値の発見
  6. ポケットのノート
  7. イヌイットの交通事故
  8. マネーボール

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

RSS 内田和成のビジネスマインド

  • BCGのコンセプト紹介の本を書きました 2016年11月3日
    今年2016年は、BCGが東京に世界で2番目のオフィスを1966年に開設してから...
  • 事業アイデアの発想法 2016年10月28日
    今日はビジネススクールの内田ゼミにBCG時代の同僚で現在事業開発のコンサルタント...
  • 学部7期生 2016年7月8日
    今日の合同ゼミには学部7期の卒業生の中澤君と薬丸さんも顔を出してくれました。明日...
  • ゼミ合宿 2016年7月8日
    今日は内田ゼミのMBA生と学部生の合同ゼミ初日です。例年土日の一泊二日でやるので...
  • 模擬授業のお知らせ 2016年7月6日
    来る7月24日(日)の午後、早稲田大学ビジネススクールでは2017年度の入試説明...
PAGE TOP
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。