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当たらないジャブは効果が分からない

少し前の20の引き出しの使い方のところで、「券売機より精算機」の話をしたが、ビジネスはやってみないと分からない部分があるというネタで同様な事例としては、「携帯を家で使う子供たち」の話がある。
携帯電話が出始めた頃は、携帯電話は出先や移動中に使うもので、家では固定電話を使うというのが常識であった。もちろん料金の問題もあるが、頭の中の優先順位がそうなっていた(先入観)。ところが子供たちはそんな使い方をしなかった。家でも友達と話すのに携帯電話を使うし、パソコンの電源が入っていて無料のe-mailが使えるのにわざわざ有料の携帯メールを使う。私などは不思議で仕方なかったが、今や大人も同様の使い方である。
また、ゲーム機というのは子供の機械、あるいは若者のものという常識をぶちこわしたのは任天堂のDSライトである。これも頭を良くするソフトの影響と思われるが、大の大人が電車の中でいすに座り、吊革につかまりゲーム機を操作しているのを見て奇異だと感じる私はたぶん時代遅れなのでしょう。

3月25日付の「峠の豚」に対する名無しさんのコメントにもありましたが、これらのネタは使ってなんぼです。私も見つけたネタや思いついたネタはなるべく早い時期に一度は使ってみます。なぜかと言えば
1)そうしないと忘れてしまう
2)実際にどれくらい使えるかの効果測定
3)改良
の3つがあります。

一番目は説明不要と思いますが、二番目はいくら自分でおもしろい話・説得力のある話と思ってみても相手に通じないと意味がありません。そのために使ってみるのです。それによって思わぬ効果がある場合もあれば、きょとんとされて意図が通じない場合もあります。もちろん相手にもよると思いますので、2~3度試してみることもありますし、一度でお蔵入りする場合もあります。そうやって生き残ったネタがフォルダにファイルされるのです。もちろん、すべてバーチャルで行ってますので、ファイルされるまではどこにおいてあるのかなんて聞かれても答えられません。正確に言えばテンポラリーファイルになっているのだと思いますが、自分の頭の中では最初から同じフォルダです。
私が若いコンサルタントに言っている話で、「ジャブは当たらなければ効果が測定できない」というのがあります。ここでジャブというのはボクシングの弱いパンチのことですが、いくら繰り出しても相手にかすりもしなければ、それがどれくらい威力があるか見当がつきません。こちらが威力があると思っても、相手は蚊が留まったくらいにしか感じない場合もあれば、思わぬ威力で相手が倒れてしまう場合もある。それを打つ前からああだこうだ、くよくよ考えるより、相手にぶつけてみろ。それで痛い目にあって始めて、次からどれくらいの手加減で打てばよいか分かるよと言っているのと同じことです。
三番目は、もちろん使ってみると、もう少しここは丁寧に説明した方がよいとか、ここは表現を変えようとか、あるいはこういう場面ではこのネタよりこっちのネタの方が説得力があるとか考えるわけです。


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