日経新聞の最終ページにある私の履歴書は大好きで毎日目を通している。特に経営者が自分の経営哲学を語っている部分には経営のヒント、リーダーの心構えが満載である。さらに堺屋太一さんの連載小説「世界を創った男チンギス・ハン」も大変興味深く、最近は日経新聞を最終面から読むことが多くなった。
今月の私の履歴書は、“ぴちょんくん”のエアコンで知られるのダイキン工業の会長である井上礼之氏であるが、今日2月25日分になるほどその通りという記載があったので紹介しよう。
ちょっと長いがそのまま引用する。一番最後の所に、「経営者は変化の波打ち際である現場に出て、その予兆を的確にとらえ、競争相手より常に半歩先を行く決断をしなければならない。そのためには自ら現場の第一線に入り込んで情報を共有しながら変化に応じて素早く判断し、実行に移す。私はそれができる柔軟な企業体質の構築に今も努力している。」とある。全く同感である。
私も経営において大事なのは現場だと思っている。リーダーともなるとついつい社長室でものを考え、大所高所の視点でものを見るために現場目線を忘れがちになる。そのためトップの方々に、現場で何が起きているか、それがどんな意味を持っているのかを伝えることが、しばしばコンサルタントの大事な仕事になる。
同様に経営コンサルタントにとっても、顧客の現場を訪れ、そこで何が起きているかを見聞きすることが基本中の基本となる。ついつい現場を忘れて、本社からもらったデータを分析して事足れりとするコンサルタントが出現する。そんなとき私が口にする言葉は、TVと映画で大ヒットした「踊る大捜査線」の決まり文句「事件は会議室で起きているんじゃない。現場で起きてるんだ!」をもじった、「事件は本社で起きているんじゃない。現場で起きているんだ!」である。コンサルタントが必ず現場を見た上で結論を出すようにアドバイスしている。
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