先日友人と話をしていて、サッカー選手のタイプと企業の人材の話になった。
今のサッカー日本代表には確実なパス回しをして、徐々に敵陣に攻め込んで最後にシュートまで持っていくタイプの人材が多い。と言うのもそういうスタイルを教えているからだ。
このパス回し型の特徴はみんなが誰が何をやるかが分かっている点にある。具体的に言えば、味方の誰から見ても次はどこへパスが行くの分かりやすい。仕事で言えば、次の仕事が見えるのでこちらも準備しておけるために一緒に仕事がやりやすいし、間違いが少ない。
このタイプの欠点は、相手から次の手を読まれてしまうために守られやすく、最後の点を取るところが大変難しいところにある。確実であるが意外性がないと言うことになる。
このパス回し型の逆と言えるのが、キラーパス型である。通れば一発逆転もあり得るきわどいパスを回して、うまくいけば敵の裏をかいてシュート&得点で終わるが、キラーパスが通らず失敗すると敵にボールを奪われての逆襲を受け大ピンチとなる。というのも、キラーパスをカットされるとこちらは攻撃態勢のままで防御の準備が出来ていないので、敵の攻撃を防ぐのがきわめて難しくなる。いわゆるカウンター攻撃を受けるのである。
このタイプの欠点は、単にパスが通らないだけでなく、時には味方ですらそのパスを予測できない点にある。サッカーで言えば、中田英寿タイプだ。
翻って、企業のことを考えてみても、こうしたキラーパス型の人材がたまにいるよねという話になったわけだ。一発大逆転の大型商談を仕掛けたり、当たれば大きい商品を企画したりを一人であるいは他人の理解を得られないまま仕掛ける人のことだ。意外性があって、当たれば大きいが、失敗した場合のリスクも高いことが多く、普通の組織では自分勝手な奴として嫌われることもある。
もしかしたら、あなたの周りにいる一見身勝手で予想外の行動ばかりして、みんなから嫌われている人間も実は中田英寿みたいなキラーパス型の人材かもしれませんよ。
おまけ
もちろん、チーム全員がキラーパス型では困るわけで、大半がパス回し型の中に一人二人キラーパス型がいるのが良いと言うことは承知の上で書いています
この記事へのトラックバックはありません。
ご無沙汰を致しております。GSIMにてお世話になりました宇賀です。
本トピックの“おまけ”の「チーム全員がキラーパス型では困る」に対して意見がございます。
「チーム全員がキラーパス型では困る」のではなく、チーム(組織)をどのような過程にて形成するかではないでしょうか?
同様にサッカーに置き換えて考えました。
【これまでの日本】
パス回し型人材を育成し、その中からキラーパス型人材を発掘して、チームを形成する。
【サッカー先進国】
キラーパス型人材に対して、個々のポジションや役割を認識させて、パス回し型を形成する。
どちらが良いか?
【サッカー】
明らかに後者でしょうね。何故ならばサッカーの根本は相手の裏をかく競技だからです。
【企業】
その企業のおかれた状況や時期がポイントになるのではないでしょうか。
なるほど・・
サッカー選手での例え・・
とても面白くわかり易かったです。
わが社にも、キラーパス型人材います(笑)
では野球での例えだと、どうなるのでしょうか?
ホームランか三振かで、“ぶんぶん丸”の愛称で親しまれた元ヤクルトの池山選手でしょうか?
野球にしても、組織にしても与えられたポジションがあり
そこでひたむきにボール(仕事)を追えば、
いつか大ファインプレー(大きな仕事の成果)がうまれるってことでしょうか?
高校球児を見習い、明日もひたむきにボールを追いかけます。
サッカーのたとえは盛り上がるようでうれしいですね。
皆さんどんどん意見ください。
宇賀さんへ
ご無沙汰です。
バックス(守備の人間)がキラーパス型では困ると思いますので、守備はパス回し型で良いのではないかと思います。
ただし、相手のミッドフィルダーやフォワードがキラーパスを出してくるときにそれを防げるひらめきや頭の良さは必要な気がします。
key さんへ
なるほど、野球との比較もおもしろいですね。あまり考えたことがなかったです。
でも野球のように攻守の切り替えが連続していないスポーツは、キラーパス型という一発ピンチの攻撃というのは当てはまらないかも知れませんね。
ヒットを積み重ねて、得点をしていくという緻密な組み立てのスポーツはサッカーでいえばパス回し型に相当して、日本人に向いているのかも知れません。
是非、他の方もご意見聞かせてください。