昨年末に日本の電機業界での事業再編のニュースが立て続けに紙面を賑わした。
東芝とシャープが液晶で提携し、一方で松下が液晶で日立とキヤノンと組むという。この間までは、東芝はキヤノンとSEDのテレビで提携していたのに、ずいぶん大胆に地図の塗り替えが行われたものだ。あるいは、日立が苦労してIBMから買い取ったHDD(ハードディスク)事業を再び手放すというニュースもあった。
ここ数ヶ月の家電業界の動きを見ていると、昔ならあり得なかった合従連衡が進んでいることに驚きを禁じ得ない。元々は数年前にソニーとサムソンが液晶パネルで合弁を作ったことにその端を発していると私には思われる。
昔ある人物が日本の家電業界の再編を仕掛けようとしたことがある。そのときに再編の対象としたメーカーは日立製作所、東芝、三菱電機の3社であった。
この3社の家電事業、その中でも冷蔵庫・洗濯機・掃除機などの白物家電と呼ばれる分野は大変伝統ある事業であったが、どこも低収益に苦しみ、大幅再編を必要としていた。一方で、その3社の事業を単純合算すれば、どの製品群でもトップの松下をしのぐが並ぶ規模になることから、3社の家電事業を統合してはどうかという話が生まれたわけである。
残念ながら、このプロジェクトは幻のプロジェクトに終わった。アイデアが10年早すぎたのかも知れない。
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「ある人物とは・・・?」
気になりますが・・・。
メーカーだけでなく、量販店の再編も
ありそうですね。ヤマダ電機を中心に。
「選択と集中」
企業戦略の基本ですかね?
*歴史書をご紹介していただきありがとう
ございます。早速、読んでみたいと思います。
keyさんへ
成熟化の進む日本では、今後ますます合従連衡やM&Aによる規模拡大の動きが進むと思います。
家電量販店はヤマダ電機の一人勝ち状態に誰がどのような形でストップをかけるのが見物ですね。下手をするとアメリカのウォルマートのように一人勝ちが進んでジャイアントになってしまう可能性もあると思います。