先日、用事があって二子玉川ショッピングセンターに行ってきた。平日の昼間にも拘わらず、大変な賑わいだったが、大半の客は女性客であった。しかもみんなおしゃれな格好をして、高そうな商品を買ったり、高級レストランが一杯で繁盛していた。恐るべし女性パワーである。
昼飯の時間帯だったので、そば屋に行った。そこでも、女性のグループ客か、女性の個人客(すなわち"おひとりさま"(注))のどちらかで、私のような中年男子は見かけなかった。ここまでの話なら、どこにでもある普通の話である。皆様、特に驚かないだろう。
私が驚いたのは、私のそばで"おひとりさま"の女性が2人続けて当たり前のようにそばと一緒に生ビールを注文したことである。2人とも、どちらかと言えば中年に近い女性ではあったが、きちんとした身なりだった。
私は何も女性がビールを飲むことに驚いたわけではない。私の周りにも男性より酒の強い女性はたくさんいる。真っ昼間から、ジョッキでビールに驚いたのである。
10-20年前だったらいざ知らず、男性ビジネスマンが昼間にビールを飲むことは最近ではあまり見かけなくなった。もちろん、接待などで昼食時にビールを飲むことはあるが、一人で昼食を取るときにスーツ姿の男性がビールを飲んでいるのにはお目にかかったことがない。
それを女性の一人客が昼間から堂々とレストラン(と言ってもそば屋ではあるが)でビールを飲む、ちょっとびっくりした。
もちろん、コンサルタントであるから、いろいろ理由(仮説)を考えて見た。私が思いついた仮説は以下のようなものです。
どれも今ひとつ自信がありません。これはどう解釈したらよいのか、どなたか教えてください。
注)おひとりさま
"おひとりさま"については、知っている方々も多いと思いますが、念のため出典を上げておきます。
http://ohitorisama.hershe.co.jp/ohitorisama/contents/iwashita.html
元々はジャーナリストの岩下久美子さんによって提唱された女性の生き方を示す言葉だったようですが、現在では飲食店などで女性一人の顧客セグメントを示す言葉として使われています。男性顧客にはあまり使われませんが、そのうち男女の別がなくなると思われます。
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余り大きな声では言えませんが、結構お昼におひとりさまランチをしながら飲みます!
会社の人達とランチをしながら情報交換なども良いのですが、やはり仕事をしていると、いろいろな事があり…。 そういう時は敢えて一人でぶらっとランチにでてビールやワインを楽しみます。
会社で上司として日々過ごしていると、思いを顔に出すことも出来ず、常に同じテンションを保とうとすると、ランチタイムはほっと自分の世界に戻る時間です。また一人になって考えごとをしたい時など、廻りとちょっと離れてみると、考えが纏まったり、アイデアが沸いたりします。
そういう時にお茶というのは寂しいので、グラスを片手にリラックスしています。
のんびりリフレッシュして、ニコニコ会社に戻ると、そういう時に限って、上司に会議をする!と呼ばれてしまったりするのですが。 ほんのり赤ら顔を苦笑いで隠しながら出席しています。
ということで、本日は名無しで投稿させて頂きました。
はじめまして。
私は日頃お昼はお店で、まかないを家族と従業員たちで食べます。
たまに一人で外へ出かけたりするときは、(私も大きな声では言えませんが)お茶代わりに飲みます。
名古屋に一人で行ったときも、ピエールマルコリーニで一人でパフェとシャンパンを頼み、ゆっくりと一人の時間を楽しみました。
日頃、家族と従業員と子供に囲まれて一人の時間が取れないので、たまにはそういう時間も作りたいのです。
本日は名無しさんへ
そうですか。やはりホッとしたいときは一杯やるのですね。
そういう点では、昼間は周りの目を気にして飲めないか夜になって飲んでくだを巻くことしかできない男性より、昼間に自分を失わずに飲める女性の方が強いのかも知れません。
でも一人で過ごした方がアイデアが湧くというのは、男女に関係なく真実ですね。
コメントありがとうございました。
kumikoさんへ
コメントありがとうございます。
主婦業と経営者の両方の顔を持っていると、ホッとしたいひとときがあるのでしょうね。
そんなときに一人でリッチなランチとビールという気分になるのでしょうね。非日常かな?
ブログ拝見しました。忙しい中でまめに更新されているので感心しました。武生は行ったことがないのですが、行ってみたいなと思わせる素敵な内容でした。
http://www.okami-kumiko.com/
二人のコメントを拝見して、
1)私の見たのが例外じゃないと言うことがよく分かって勉強になりました。
2)一方で、女性心理に関しては私はまだまだ未熟者ものだということがよく分かりました。
今後ともコメント寄せてもらえれば幸いです。
内田さん、
ご無沙汰しております。
「リラックス」するために、昼のちょっとした時間を活用して、アルコール類を飲むというのは、ずいぶん前からひっそりこっそり行われていたと思いますが...
#少なくとも、B社の女性社員は昔からやってましたよ〜〜
先日、横江公美さんの新刊「キャリアウーマンルールズ」を読んだのですが、ここで面白いセグメンテーションをしていて、これはかなり使えると思ったのでちょっとご紹介。
#昔から出ているビジネスゲームとは時代は相当変わっていると感じます
「オンナ」タイプの女性 vs 「オトコ」タイプの女性
前者はたぶん見つからないように女性比率の高いところで、シャンパンやワインを軽く飲んだりして、後者はビール、という仮説はたちます。たぶん、後者は夜も女性だけで飲みにいったり、1人で飲みにいったりすると思います。
縦軸の切り方を考えてみると、いろいろと面白い女性マーケットが見えてきました。 :)
けりぃさんへ
コメントありがとうございます。
そうですか、昼間から飲むというのは今に始まった話ではないのですね。
それより女タイプの女性と男タイプの女性というセグメンテーションは確かにおもしろいですね。
縦軸を何にしたのかも興味あります。
ところで大学院の方は楽しくやっていますか?
内田先生、
大変興味深い問題提起の程、ありがとうございます。おかげでこの数日この問題が頭を離れませんでした。。。
私の仮説は・・・
●逆転の発想(固定概念の払拭)こそが、隠れたニーズの掘り起こし(新規事業)に直結する。
という仮説です。
今回の類似例としては・・・
男性向け化粧品のニーズ、家族向けや大人向けのゲーム(ウィやDS等)があげられます。
こういう事例から勘案すると、ビールを飲むのは、会社帰りのオヤジという固定概念や、男性が勤めて、女性が家事をするという固定概念が邪魔をしているのでしょうね。。。
そこで、今後有り得るかも知れないニーズ(固定概念の払拭)を考えてみました、
・サッカー観戦はテレビ局のカメラワークによって観るという固定概念を払拭した、Web上であらゆる角度から、利用者が自由にカメラワークを選択出来るサッカー中継観戦
・栄養(食事)は口から摂取するという固定概念を払拭した、点滴レストラン
です。こんなサービスがあっても面白いかなと考えました。。。
どうでしょうか?
uさんへ
固定概念に囚われるというのは怖いことですね。これを私はパラダイムの罠と呼んでいます。
女性のビールに関しては、私はパラダイムの罠にはまっていたようです。
また、消費者の我慢していることを取り払うことで新しいサービスや製品が生まれるというのはその通りで、BCGではそうした顧客の妥協を取り払えということで"Breaking Compromise"と呼んでいます。
それにしても、"おひとりさま"は予想以上に盛り上がりました。
あの、、いまさら、、ですが、
キャリアウーマンルールズを検索していましたら
ここに至りまして、すごく興味深いお話で盛り上がっていましたので、一気に読んでしまいました。
私も、零細ながら経営者で、キャリアウーマンのはしくれですが、昼間のひとりでビールはあたりまえだと思っていました。
こういう方々は私の知っている限りでは、
夜、もっと強い酒をあおっています。
昼、、どころか、私はひとりで行くプライベートの旅行などで、朝から新幹線でビールを空けています。で、旅先などでのランチも当然ビールが付きます。ほんの、息抜きです。
祇園や先斗町の川床などもおひとりさま飲酒を
していますが、これはまだ一般的ではないようで。。。芸者遊びも女性おひとりさまがする時代になっていくのではないでしょうか。。。
こういう類の方々は「オトコ型」が多いような気がします。
かえでさんへ
Welcome to my blog!といったところでしょうか。
おひとりさまについてのコメントありがとうございます。
おっしゃるように、仕事が出来る女性の間では昼間にビールが当たり前になっていたようで、私が遅れていたと言うことがよく分かりました。
あるいは、お酒の強い女性にとってビールはお酒と言うより、リフレッシュのための清涼飲料剤のようなものかも知れませんね。
この話は当たり前のことに私が気がつくのが遅かっただけの話かも知れません。
かえでさんのコメントを拝見していて、昔といっても大昔、学生時代に日本橋の某Mデパートでバイトをやっていて、休憩所で女性がたばこをスパスパ吸っていたのに衝撃を受けたのを思い出しました。
もはや女性・男性というジェンダーでお酒やたばこの議論をすることが時代遅れなのかなと反省すると同時に、このテーマがこれだけ盛り上がるのなら、こうした本音をちらっと漏らすのも結構大事かなと矛盾したことを思いました。
それにしても、私のブログには女性読者が多いのが分かってうれしいです。あまり関係ないか?
先生が仰るように昨今、ジェンダーの垣根とか、『・・かくあるべき』という考えが崩壊してきているのだと思います。 徹夜明けのプレゼンの日なのか、朝、駅でタフマンを飲んでいるビジネスウーマンも居ますし、男性用の美顔エステが流行っているようですし、小学生のお化粧グッズも登場しています。男らしくとか、女らしくとか、学生だからとか・・、そのような概念が薄れてきている社会だと感じます。 根底に儒教の教えとかが無い日本ゆえ、人々が律して生きてゆく拠り所が無いと、物質主義に走るのではないか・・と、ちょっと危惧しています。
義堂さんへ
そうですね。仕事ではもう女性・男性という区分でものを語るのは時代遅れなのかも知れませんね。
一方で、電車の中での化粧議論とか、お一人さまのビールとか、男の化粧とか、そちらの方はちょうど過渡期なのでしょうね。結論が出きっていない気がします。
おっと、おひとりさまのビールは結論が既に出ていましたね・・・。
一方で、いつの時代でも女同士ではいい男が話題になり、男同士ではいい女の話で盛り上がるのは、人間の性でしかたのないことかもしれません。
というより、それがないと、人生生きている楽しみがないという人もいると思いますし・・・。
外で飲むなら、夜より昼のほうが帰路が安全。当然ですよね。
昼にもおしゃれなバーは営業していて欲しいものです。
toriさんへ
私のブログに寄っていただき、ありがとうございます。
なぜか、このお一人さまは書き込みが多く、うれしいです。
昼間から飲める安全でおしゃれなバー、男性にはとても考えつかないアイデアですね。脱帽!
今度出す本にもこのおひとりさまの話をちょっとだけ、取り上げました。機会があれば、読んでコメントください。