昨日のカンブリア宮殿(TV東京)は以前にこのブログで取り上げたデザイナーの奥山清行さんがゲストだったが、NHK以上に生の声というか本音トークが多く、断然こちらがおもしろかった。と言うか、同じような主旨のテーマが5月にNHK、6月に民放の両方で放映されるのは珍しいなと思った。
いくつか印象に残った言葉を紹介しよう。
彼はイタリアの超一流のデザイン工房ピニンファリーナでデザイナーとして活躍し、フェラーリのフラッグシップモデルをデザインしたことで知られる人である。
仕事の依頼が来てからデザインを考えるようでは遅い。仕事が来てから浮かぶアイデアにろくなものはない。それより、仕事が来るか来ないか分からない段階からアイデアというのは常に考えておくものだという。それだけの準備があって、始めて仕事に生かすことが出来るので、そのためには引き出しに出来るだけたくさん貯めておくことが重要だと言っていた。
全く同感である。私の20の引き出しも全く同じ発想だ。
ただし、彼の場合は毎日100のアイデアを出すことを自分に課しているというから驚きだ。
日本人は職場に仲間意識を持ち込み、仲良しクラブになりがちだが、本当のプロフェッショナルというのは、自分と同等な人か自分より優秀な人を部下に持つことで、お互いに刺激を受けて、結果として良い仕事ができるようになると主張する。
うーん、その通りだけれど、実際の企業でここまでやれる人は日本に何人いるかな。と言ってもコンサルティングファームでは当たり前のことではあるが・・。
職場が最高の学校である。
BCGは学校であると言っている内田にとってもは我が意を得たりである。
最後にほっとする話を一つ。彼のデザインした山形の鉄瓶が欧米で大変な人気で、NYのMOMA(近代美術館)に陳列されているそうだが、自動車では入りたくても入れなかったMOMAに鉄瓶であっけなく入れるのだから、人生よく分からないとコメントしていたのが印象に残った。
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わたしも、奥山清行さんの活動は興味深いとひそかに思っていました。
このおはなしを読んで、間接的にお世話になっているデザインの先生がイタリアからの留学生を迎えたおはなしを思い出しました。
その子は、日本は若いデザイナーにチャンスがあるという感想をもっていたようです。
「地場産業発、世界行き」では、わたしは栃木の「にっこり」梨の事例がネーミングからして好きです。
まるくて黄色いからお金まわりの縁起がいいって香港でブレイクしたとのことです。
ちょうさんへ
にっこり梨って初めて聞きました。一度詳しく教えてください。なんか素敵な名前ですね。
先日テレビで、福岡名産のイチゴ「あまおう」が対では日本以上の高値(ワンパック3000円)で売られていて、大人気というのをやってましたね。もちろん富裕層が買うのですが、良いものは国境を越えて認められるようです。
「良いものは国境を越える」って素敵なメッセージだと思いました。
にっこりのニュースは数年前に耳にしました。今回をきっかけにあらためて調べてみました。その結果、地場産業発マーケティングの姿がうかびあがってきました。
にっこりの生い立ちについて、その名前の由来はスマイルの「にっこり」のみならず日光と中国語の梨(リー)の合成語、豊水梨と新高梨のハーフ。栃木県農業試験所で生まれ、平成8年に品種登録。赤ちゃんの頭ほどの大きさ(平均約800グラム)。
にっこりの海外販売の系譜は、以下のようです。
★ 平成16年度 にっこり(1250kg)
香港上陸
★ 平成17年度 にっこり(2165kg)
台湾行きを果たす
★ 平成18年度 にっこり(4800kg)
(※ 栃木県全体での期間生産量は500tほど)
JETROの「農水産物輸入トレンド」香港編から、シティスーパー(香港・台湾が拠点)で販売をおこなっていることがみえてきました。
そして、にっこり海外進出の仕掛人は、(社)とちぎ農産物マーケティング協会さんのようです。2006年の講演内容を参照すると、香港は農業を手がけていないというのも焦点合わせの一因だったということ。
販売期間は10月中旬から11月下旬くらいまでの限定商品、香港でブレイクした理由は、風水説(黄色くて円い)と旧正月説(贈答品シーズン)が有力のようです。
今年の秋「にっこり NOW」の動向を注目したいとおもいました。現地の様子も知りたいものです!
ちょうさんへ
にっこり梨のレポートありがとうございます。
ずいぶん大きな梨ですね。中国人が好きなのは、その大きさにもあるのかも知れませんね。
日本では農産物や水産物に地域ブランドをつけるのがはやりですが、そのブランドは日本語名なのに海外にまで輸出可能というのがおもしろいです。