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永守重信

ご存じ、M&Aで買収した会社を人員リストラせずに、次々に再建に成功している経営者である。
ずいぶん前に、日経新聞主催の世界経営者会議での講演を聴く機会があり、すごい経営者だなと思っていたが、その後テレビ東京のカンブリア宮殿などでも紹介されさらに興味を持っていました。

先日たまたま入った本屋で、彼の経営に関する言葉を収録した「情熱・熱意・執念の経営」という本が目に入り、購入した。簡単で読みやすい本なので、一気に読んでしまったが、平易な文章の中にいくつか経営に関する極意やヒントが述べられており、大変参考になった。

Nagamori

そこから、2-3紹介しよう。
「苦労こそ財産」
以来、私は「苦労こそ財産」と考えるようになりました。理由は、苦労には有形、無形の利子が付いてくるからで、完成した製品や身につけた技術力が有形の利子です。それよりも大きな利子は、情熱、熱意、執念さえあれば不可能を可能に出来るという無形の自信をつけたことでした。

「加点主義を貫く」
我が社は創業時代から加点主義を貫いてきました。怠けた結果の失敗は徹底した叱責の対象となりますが、評価が下がることはありません。(これは相当珍しいです)

「決断するまでのスピード」
私は会社の命運を左右しかねない大きな決断は月曜に下すと決めています。それは、日曜に丸一日かけてあらゆる角度から何度も検討することが出来るからです。
それに対して、通常の意思決定は一分以内を原則としています。

「トイレ掃除」
便器についた汚れを素手で洗い落とし、ピカピカに磨き上げる作業を1年間続けると、トイレを汚すものはいなくなります。
これが身につくと、放っておいても工場や事務所の整理整頓が行き届くようになってきます。これが「品質管理の基本」であり、徐々に見えるところだけではなく見えないところにも心配りが出来るようになれば本物です。

やや古いなとか、ちょっと違うなと思う点もありますが、彼の経営哲学がよく伝わってくる良い本だと思います。一読をお薦めします。

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コメント

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