今月の嶋口・内田研究会のゲストスピーカーは元カネボウ化粧品の社長でカネボウの再建に尽力した知識さんだった。ご承知の通り、カネボウは元々繊維の会社だったが、一時期に多角化経営を標榜し、食品や化粧品など様々な事業を展開していた。しかしながら、放漫経営で赤字が続いた上に、粉飾決算が発覚し、会社が事実上倒産し、産業再生機構の傘下で再建を果たした。そのうち化粧品事業を社長として担当したのが知識さんだった。社長に抜擢された当時、41歳と若かったことから大きな話題になったので、覚えている人も多いのではないかと思う。
あれだけのターンアラウンドをやった人なので、結構コンサルタント的切れ者かと思っていたら、実は情に厚い人間味あふれるリーダーでした。社内に対しては、そんな甘い改革案では機構の人が許してくれないからもっとバッサリやらないとダメだと情で諭し、一方で機構側にはそんな機械的なやり方で押していったら化粧品会社の資産である人が離反してしまうと理屈で説得し、両者の間のコミュニケーターになっていたようだ。
この知識さんは、ずいぶん前からカネボウ社内の教育などの機会に嶋口先生の指導を受けていて、目立っていたというのも、何かの縁だなと思いました。
今回の嶋口・内田研究会には100数十名の参加者が来てくれて、久しぶりの大盛況だった。これも知識さんという新しいタイプのリーダーに対する若い人たちの期待の表れなのでしょう。
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