先日発売した[異業種競争戦略]ですが、著名なブックレビューのブログで推薦してもらったと言うことで、アマゾンの売り上げ急上昇中です。
先ほど見たときは、なんと総合ランキングで15位、ビジネス書(ビジネス・経済・キャリア)では4位にランクインしていました。
土井さんという方がやっている「ビジネスブックマラソン」というメルマガですが、こんなに影響力があるとは知りませんでした。クリス・アンダーソンの最近のベストセラー「フリー」と並んで、読むべきビジネスモデルの3部作の1冊として推薦いただきました。土井さん、紹介していただいて、どうもありがとうございます。
また、この情報を教えてくれた、植野さん、どうもありがとう。
最近ブログの更新が滞っているのは、次の本の原稿ではなく、ビジネススクールの修士論文の指導に明け暮れているためです。いや、12名もゼミ生がいると本当に大変です…(涙)。
ちなみに年内に出すと宣言していたもう一冊の本「論点思考」は少し遅れて、何とか1月には出版できそうです。
ブログで紹介してもらった内容を土井さんの許可を得て一部転載します。
ご興味があれば、ご覧ください。
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ビジネスブックマラソン Vol.1977
『異業種競争戦略』
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■〔1〕本日の一冊
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『異業種競争戦略』日本経済新聞出版社 内田和成・著
こんにちは、土井英司です。
『フリー』、『新・プラットフォーム思考』と来たら、次に読むべ
き一冊は、間違いなくこれ。
「ビジネスモデル構築3点セット」の最後を飾るのは、早稲田大学
ビジネススクール教授の内田和成さんが書いた、『異業種競争戦略』です。
※参考:『フリー<無料>からお金を生みだす新戦略』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140814047/businessbookm-22/ref=nosim
※参考:『新・プラットフォーム思考』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023304778/businessbookm-22/ref=nosim
最近は、セブン-イレブンやイオンが銀行をやったり、コンピュータ
ー・メーカーのアップルがネット上で音楽配信を始めたり、さまざ
まな業界で、異業種からの参入が相次いでいます。
著者はこれを「異業種格闘技」と名付け、本書で異業種格闘技時代
の競争戦略について述べているのです。
では、この「異業種格闘技」の本質とは何か。
著者はこれをひと言でこう言い表わしています。
「ビジネスモデルとビジネスモデルの戦い」
かつて「業界」というものが信じられていた時代には、すべての企
業が同じビジネスモデルで戦い、どれだけ努力するか、工夫するか
で競争優位性が決まっていました。
しかし、異業種格闘技時代には、ビジネスモデル自体が違う企業同
士が戦うことになる。
ここで求められるのは、どこでオセロをひっくり返すかという、ビ
ジネスモデル構築のセンスです。
本書では、このビジネスモデル構築のヒントや、異業種格闘技時代
の戦い方、どこから競合が出てくるのかを予想するヒントなど、さ
まざまな競争上のヒントが示されています。
これからの時代、競争優位性は経営者のアタマが作る。
勉強しない人には、チャンスのない時代が到来する、ということです。
気がついたら時代遅れのビジネスモデル、とならないよう、ぜひ読
んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ひょっとしたら、10年後にトヨタがパナソニックと電気自動車で戦
うといった、これまでなら考えられなかった競争が起きているかも
しれません
異業種格闘技とは、
1.異なる事業構造を持つ企業が
2.異なるルールで
3.同じ顧客や市場を奪い合う競争である
アップルはもともとコンピューター・メーカーですが、いまではア
イチューンズ・ストアという、ネット上の楽曲販売も自ら手がけて
います。結果、アイチューンズ・ストアのシェアを増してくると、
アップルが価格支配権を持つようになります。そうすると、どんど
ん楽曲は売れるけれども、儲かるのはアップルばかりになります
アプリケーション・ソフトがおまけの会社と、アプリケーション・
ソフトの販売が目的の会社とで戦い方が違ってくるのは当然
携帯電話のカメラは、純粋にデジタルカメラに置き換わるというよ
りは、「メモ代わりに写真を撮る」といった、これまでのカメラに
はなかった使い方を生み出した
◆変化をとらえる5つの視点
1.置き換え 2.省略 3.束ねる 4.選択肢の広がり 5.追加
◆ビジネスモデルの3要素
1.顧客に提供する価値
2.儲けの仕組み
3.競争優位性の持続
競争相手の儲けの仕組みをきちんと把握しておくことは、戦いに勝
つうえで非常に大事なポイント
「顧客が何に価値を感じているか」「それは、どのように提供され
ているか」が大きなカギ
1.顧客に「同じ価値」を「同じ手段」で提供する
2.顧客に「同じ価値」を「異なる手段」で提供する
3.顧客に「異なる価値」を提供する
テレビとテレビゲームは「時間を奪い合う競争」をしている
顧客起点で潜在ニーズに目をつける
異なる手段を用いることで、どんな価値を付加できるか
◆儲ける仕組みの4類型
1.トールゲート(料金所)
2.イネーブラー(撒き餌)
3.エンラージメント(周辺分野へ広げる)
4.ブロックプレイ(敵のトールゲートを無力化)
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『異業種競争戦略』日本経済新聞出版社 内田和成・著
以上引用終わり
ここまで書いてもらうと本が売れないのではないかと思うのは素人で、おかげでたくさん売れるのだから、さすがプロです。
ビジネスブックマラソンについては下記リンクを参照してください。
http://eliesbook.co.jp/bbm
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内田先生
平野敦士カールと申します
土井氏のビジネスモデル構築3点セットのひとつ
新・プラットフォーム思考の著者でございます
ブログでのご紹介ありがとうございます
とても光栄なことだと恐縮しております
平野拝
平野敦士カール様
わざわざコメントありがとうございます。
これも何かの縁ですので、今後ともよろしくお願いします。
はじめまして。以前、先生はこのブログの中で「若者の自動車離れ」を嘆いておられましたよね。なぜ自動車離れが進んだかと言えば、時代が工業化社会から情報化社会へと変革し、人々の興味が金属やコンクリートの塊から電子媒体を用いたコンテンツに移ったことが大きいと思います。よく「趣味の多様化」を車離れの原因に挙げる人がいますが、そもそも若者の所得や雇用環境が悪化する中で娯楽費も大幅な縮減が強いられています。つまり娯楽における活動範囲は確実に狭まっているわけで、「多様化」が起こるはずもなく、これに原因を求めるのは無理があると思います。
私は自動車離れというのは一つの時代の流れであると思います。たとえば仮に平安時代の人間が現在も生きていて、「最近の若者の牛車離れが気になる」と主張してきたらどうでしょう。さすがに先生も「勘弁してくれよ」と思うのではないでしょうか。それと同じで「最近の若者の自動車離れが気になる」と言われても、若者は「勘弁してくれよ」と思うわけです。
和成さん、
Alumni西口です。
別エントリーにトラックバックさせていただきました。
いま、少子化対策の切り札、婚活ビジネス最大手オーネットでマーケティングをやってますが、
結婚の異業種競合はたくさんありまして、狭義から順に、同業→ネット系→合コン・知人の紹介→ペット→恋愛シミュレーションゲーム→果ては新興宗教…と広がっていきます。
BCG関係者はたくさんこのビジネスにご興味お持ちいただき、現役OB問わず議論にお付き合いいただいてましてありがたい限りです。
ではまた。
「ビジネスブックマラソン」の土井です。
コメントありがとうございます!
ちなみに「ビジネスブックマラソン」で紹介してアマゾン3位になった『フリー』著者のクリス・アンダーソンからも「Thanks for the nice note and for the recommendation!」という
コメントをいただいています。
3冊ともずっと売れていくといいですね。
ベストセラーお祈りいたしております!
『フリー』の次に読むべき本
こんにちは、土井英司です。
『フリー』、『新・プラットフォーム思考』と来たら、次に読むべ
き一冊は、間違いなくこれ。
『異業種競争戦略』日本経済新聞出版社 内田和成・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532314828/businessbookm-22/ref=nosim
「ビジ…
内田先生、初めまして。
経営者.jpの井上と申します。
いつもご著書は楽しみに拝読しております。
土井英司さん「ビジネスブックマラソン」ご推薦もあり、本書も早々に拝読しました。
カメラ業界のここに至る変遷等、感慨深く想いながら「事業連鎖」について学ばせていただきました。
私も微力ながらに、ブログにてご紹介させていただきました。
http://blog.livedoor.jp/kazuyuki0329inoue/archives/51633681.html
今後のご著書も楽しみにしております。
21歳男性さんへ
確かに日本では車というものはもはや豊かさの象徴でもなく、若者のあこがれでもないのでしょうね。
私は自分が車好きのために車離れを嘆いているだけで、若者から見れば余計なお世話かも知れません。
土井さんへ
わざわざこちらにまでコメントいただきありがとうございます。
お陰様で異業種競争戦略は順調に売れており、近々4刷りが出ることになりました。
取り上げていただき、ありがとうございました。
井上さんへ
ブログ拝見しました。
ありがとうございます。
お陰様で経営者の方々に大好評で、方々からお褒めいただいています。
内田先生
事例戦略授業の簡です。
今日の講義で先生が話したカメラ、フィルム異業界の戦いを聞いて、ちょうど友達のfacebookで面白いビデオを観ました。
http://www.ted.com/talks/lang/jpn/pattie_maes_demos_the_sixth_sense.html
それは、MITの天才学生が発明した第六感デバイスです。このデバイスがあれば、カメラを使わなくても、写真が撮れます。メモリカードも使いません。(ビデオ3:30分のところ)
ネットで検索しなくても、遅れているフライトも教えてくれます。もるで、Harry porterのシーンです。
http://www.pranavmistry.com/projects/sixthsense/
成功すれば、多くの業界に影響を与えますね。
面白いです。^@^
簡さんへ
シックスセンスのデバイスの紹介ありがとう。ビデオとってもおもしろかったです。
これこそ、ウエアラブルコンピュータですね。
このまま実用化されるかどうかは分かりませんが、将来性を感じさせる発明です。