今日は自動車事情についてです。
まず街の中を走っている車はほとんど古い車ばかりです。もちろん、お金がないという事情もありますが、それ以上に政府が事実上新車の販売を禁止してきたことも大きい要因です。そのため、古くなっても故障の少ない日本車が大人気で、シェアは90%とも聞きました。
また、鉄道や地下鉄などの公共交通機関が発達していないので、バスが主たる交通手段ですが、昨日も紹介したトラックに荷台に鈴なりの人というのも目立ちました。
Shwe Yamoneという現地の中古車ディーラーを訪問して話を聞きましたが、まだ出来て数ヶ月というのに大賑わいでした。その理由は、これまで車(それも中古車しか許されていない)を購入するのには、古い車と交換でないと買えないというルールがあったのが、最近撤廃されて、金さえあれば事実上誰でも車が買えるようになったことが大きいとのことです。
以前は2002年製すなわち10年もたっているトヨタマークⅡが800万円、ランドクルーザーに至っては中古車でも4000万円の時もあったそうですが、現在は大きく値下がったとのことです。
それでも、2002年製のマークⅡが230万円程度します。したがって、彼らは日本で中古車を購入して、それをこちらで売ることでさやを抜くビジネスモデルです。
例えば、日本のオークションで50万円で購入したマークⅡに輸送費、税金、各種費用などを込めると230万円になると言うことです。
さらにショールームにいっぱい置いてある車は売り物ではなく、お客に見てもらうカタログ代わりだという説明には驚きました。
それを見た顧客が、自分の希望するメーカー、車種、年式、装備などを告げて、さらに販売金額の65%くらいの手付け金(頭金)を支払い、それを元にディーラーが日本で希望の車を仕入れて輸入するという仕組みだそうです。
また、ミャンマーではまだローンあるいはクレジットカードなどが未発達だそうで、全て現金取引という話にも驚きました。世界の最貧国と言われているのにもかかわらず、あるところには金があるものです。
ちなみにこれは中華街の店の前に駐めてあるトヨタのランドクルーザーですが、特に高級車で価値が高いことから、「うちの店は資金繰りに困っていないよ」というメッセージだったこともあるとはガイドさんのお話でした。
しかし、ミャンマー政府が車政策を大きく転換し、新車も自由に買えるようになりつつあると言うことですから、これからは日本車以外も増えるでしょうし、関連産業が大きく伸びることは間違いないでしょう。
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