昨日のZillow.comの続きである。本論に入る前に、昨日のZilow.comの記事をごらんになったJさんから投稿がありました。コメント欄にも載っておりますが、実際に使われたそうです。また、最近アメリカの経済誌FortuneでZillowが取り上げられたことを教えていただきました。
「ご参考まで、先月のFortune誌で、Zillowについての大きなカバー記事がありました。http://money.cnn.com/magazines/fortune/fortune_archive/2007/02/19/8400262/index.htm」
情報ありがとうございました。
Zillow.comがなぜ便利かは言うまでもない。自分が調べたい家の住所を入れると、その家だけでなく周りの家の価格も出てくる。これによって、そのあたりの相場を的確につかむことも出来れば、敷地の広さ、設備(といってもテニスコートやプールでないと見分けることは難しいだろうが)の違い、家の形、日当たり(アメリカ人が気にすればの話だが)など、何でも検討することが出来る。それが現地を訪問せずに自宅にいながらにして出来てしまう便利さを想像して欲しい。
あるいは日本に置き換えてみれば、自分の予算が3000万円と決まっていた場合に、どの沿線のどの駅のあたりなら買えるのか、その場合の敷地はどれくらいなのかが現地訪問前に分かってしまうのである。行く前に分かってしまうと言うことは、逆に言えば何も知らずに3千万円の予算で田園調布や成城学園を訪問する楽しみがなくなると言うことでもあるが。
でもアメリカには個人のプライバシーはないのだろうか。自分の家の価格がバレバレだなんてと思ったあなたは日本人としては正常な感覚の持ち主だと思います。
では本題です。これがなぜマッシュアップというかと言えば、衛星写真という地図情報と不動産情報という全く異なる二つの情報(データベース)を組み合わせて全く新しい価値を生み出しているからです。このように2つ以上のデータベースを組み合わせて別の価値を提供するサービスがマッシュアップと呼ばれるのです。
不動産情報だけなら、街の不動産屋に行っても、ウェブサイトで調べてもすぐ分かります。もっと詳しい間取りや土地の情報も分かるでしょう。また地図や衛星写真なら、グーグルを閲覧したり、市街地地図を購入すればこれも簡単に分かります。しかし、この両方を組み合わせたものは実はなかったのです。そこにこのZillow.comの価値があります。
他人のふんどしで相撲を取るわけだなと思ったあなたは正解です。もちろんグーグルなどの地図情報を持つ企業がデータベースをただで提供してくれるから成り立つサービスでもあります。しかし、Web2.0企業の多くが自社のデータベースをただで提供することに積極的です。これも従来型の企業にはない発想だと思います。
こうした1+1が2以上になる、いわゆる組み合わせの妙、あるいは思いも寄らなかったサービスというのはいくらでも考えられると思います。皆さんも是非、考えてみてください。
明日からニューヨークに行ってきます。ということで私のアイデアはNYから紹介したいと思います。
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