先日紹介した「恐るべしzillow.com」(3月8日付)についてアメリカ在住のJさんがメールで次のようなコメントを寄せてくれました。長いですが、大変興味深いのでそのまま紹介します。実際に使った方の話なので迫力ありますね。すごさがよく分かると思います。Jさん、ありがとうございました。zillow.comの方のコメント欄にも同じものが載っています。
今からちょうど1年前、転職に伴う住居探しをしていました。買うか賃貸にするか最初は迷っていましたが、たまたまつけていたTVのニュースでこのZillowが偶然取り上げられており、それがtipping pointとなって一気に購入に傾いていったのを覚えています。
私の場合はアメリカ国内での引越しということで、実際に現地にいながらZillowを使っていました。目的は、やはり相場観・値段の手頃さ感覚の把握です。
ある建売物件を気に入ったので、その近所を車で回りながら比較対象と思える他の物件を数多く探し、住所をメモします。ホテルに戻ってZillowで価格を調べ、売主の希望価格の位置付けを「ベンチマーキング(?)」します。この情報を元にエージェントの方に私の考えを伝え、売主と交渉してもらいました。
当時私のエージェントはZillowを知らなかったようです。ですがこの作業のおかげで、こちらが一定以上の情報・分析を持った上でエージェントと対話しますので、通常以上の視点・情報を引き出せました。例えば見た目や大きさ・古さ・間取りなどがよく似た物件でも、どのような理由で価格に差が生まれうるのかなどについて、一歩踏み込んだ見解を話してくれました。
もう少し付け加えますと、Zillowの情報のおかげで心理的に購入がしやすくなりました。私が結局買った家はその周辺エリアでは明らかに価格が高めでした。ですがZillowをいろいろと見ていると、同じ区画内ででも個々の家によって価格がかなり異なることも多いということもわかり、それで安心できます。要は必ずしも吹っかけられてはいないと。
値ごろ感についてもう一点。Zillowは基本的に客観的なpublicly available informationを基に作られています。(なので一応プライバシーの問題は(気持ちの問題を除けば)発生しないようです。) そうした客観情報(面積や部屋数、立地など)はもちろん重要ですが、同時に自分にとって大事な「value proposition」が見出せれば、相場より高めの価格でも納得できるということもよく分かりました。
具体的に私の場合は売主がこの家を建てた人で、追加作業や修理などを快く迅速にやってくれる世話好きな方であったという「定性情報」がひとつの鍵でした。(先日ご紹介したFortuneの記事への読者コメントにも同様な視点がありました。)
余談ですが、最近ではアメリカの職場でも、例えば上司の家の値段をZillowでチェックしてはひそひそ話をしたりということがもちろんあります。Googleと同様に動詞として"Let’s Zillow his house."などと言います。
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