本日10月3日付の日経新聞朝刊に、『マイクロソフト、ネットで文書無料管理、「オフィス」向け新サービス、グーグルに対抗』という記事が載っている。
記事の要旨を述べるとマイクロソフトが、ワープロや表計算を含む仕事用のソフトであるマイクロソフトオフィスで作成した文書をインターネット上で無料で管理するサービスを始めるというものだ。既に同様なソフトをネット上で提供しているグーグルやIBMへの対抗措置だと述べられている。但し、オフィスソフトそのものは有料のままで、それをPCへインストールしてユーザーのみが編集やアップロードが出来るという点が、オフィスソフトそのものを無料としているグーグルなどとは大きく異なる。
これはまさに以前取り上げた、といっても1月の話であるが、異業種格闘技「マイクロソフトはなぜグーグルを恐れるのか(上)、(中)、(下)」で、マイクロソフトがどんな逆襲に出るかが楽しみであると述べた、まさにその「次の手」に当たる。戦いの第2幕が始まったわけである。
ではなぜ、マイクロソフトがオフィスソフトを無料にしないのかと言えば、オフィスが彼らの儲けの源泉であるからに他ならない。同記事によれば、オフィスを中心とするビジネス部門の営業利益は2007年6月期で前年同期比13%増の108億ドル(約1兆2千億円)に上り、かつ営業利益率66%とある。こんなに儲かるビジネスを只で提供するわけにいかないのは当然である。
一方で何もしないで放っておくと既存ユーザーがネット上にオフィスのデータを置いておくタイプの新サービス、すなわちグーグルのDocs&Spreadsheetsなどに流れてしまうのを防ぐために、ネット上のサービスのみを無料で提供するという手段に出たわけである。
既にMSオフィスを使用しているユーザーはソフトをスイッチすることなく、ネット上の共有サービスを無料で利用することが出来るので、使い勝手次第ではあるがかなり普及するのではないかと思う。
これに対してグーグルやサンマイクロシステムがどんな対抗手段を講じてくるかが興味深い。たとえば、グーグルも現在のソフトの使い勝手をよくしたり、新たなサービスを繰り出してくる可能性が高い。そのとき第3幕が開くことになる。
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