私が頼まれる講演のテーマと言えば、戦略に関するすること、あるいは企業改革のやり方、リーダーシップ論などが多い。どちらかというと対象は企業の経営者だったり、不特定多数の企業のビジネスマンのことが多い。
ところが、それ以外に最近多くなっているのが、中堅幹部や若手社員を鍛えてくれというニーズだ。私は研修屋ではないので、そう簡単には引き受けないのであるが、知り合いや義理のある人から頼まれるとつい引き受けてしまう。結果として、いろいろなタイプの会社で講演あるいはレクチャーをすることが多くなった。そうした講演の場で必ず出る質問が、どうしたらそうした発想法が身につくのかというものだ。あるいは内田さんのやり方を教えてくれというものだ。
私個人は、発想法よりは発想した結果のアイデアなり、視点なりに興味があるのであるが、私の話を聞いた人は、自分がどうしたらそういうことが出来るのかにより興味があることに気がついた。
というのも、多くの人の場合は、戦略を考えることがそんな簡単な話でもなければ、私ほどの経験を積んでいるわけでもない。と言うことで、アイデア出しや飛んでいる発想のために結構苦労しているらしい。
となれば次に書く本は、私の発想した結果や戦略コンセプトをいろいろ書いたりするのではなく、どうしたら優れたものの見方が出来るかのハウツー本なのかも知れないと感じている。
しかし、これは簡単な話ではない。というのも私の発想法やものの見方は、私自身の長年の試行錯誤の結果、身につけたものであり、決して最初から出来上がっていたものでもなければ、万人に使える汎用的なものでもない。あるいは体系的に整理してあって、あるパターンにはこれを当てはめて使っているわけでもない。さらに言ってしまえば、あまり苦労しているという感じはなく、楽しみながら自然と出てくるのである。
したがって、そんな簡単に料理のレシピのように示すことが出来ないのである。
でもその前に本を2冊も仕上げないといけないし、どうしようかな。
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