ブログ

デザインとは何かを発想すること

昨日の日経新聞のスポーツコラム「フットボールの熱源」にまたも、おもしろいコメントが載っていた。
英国人曰く、日本ではデザインという言葉の概念が正しく理解されていないような気がする。英国ではデザインとは何かを発想することであって、それを紙の上に絵として描くことではない。

頭の痛い話である。日本ではデザインとがデザイナーというと絵の描ける人あるいはそうしたスキルを持った人というふうにとられてしまう。
サッカーの現場でもクリエティブナ選手を育てようというかけ声の下に、実際には技術を教えることに必死になっているはおかしいではないという主旨であった。

この記事を読んで、ビジネスにおいても全く同じであると感じた。日本の企業では仕事のできる人というと、分析ができる人やリポートを書くのがうまい人あるいは会議をまとめることができる人であって、決して斬新なアイデアを出せる人ではない。若い人や荒削りの人間をもっと自由に発想させて、伸ばしてやる努力が必要なのではないか。
大学で教えているとそんなことを痛切に感じる。

関連記事

  1. 柔らかなリーダーシップ(続き)
  2. サプライヤーロジック
  3. 若者の車離れ
  4. ワサオーロ
  5. 人のいやがる道にチャンスあり
  6. 家に呼ばないのは心が狭いから
  7. バーチャルのリアル化
  8. 居酒屋の店長

コメント

    • 沢田 藤司之
    • 2008年 12月 05日

    Designの意味:
    1998年国連で催された第1回Universal Design Conferrenceに参加いたしました。その折、UDの主唱者の一人Ron・Mace教授が「デザインとは紙の上に描くことではない。“生活の仕方”である」と述べられていました。
    なるほど!!

    • 内田和成
    • 2008年 12月 07日

    沢田さんへ
    ご無沙汰しております。Ron Mace教授の言葉、まさにこのブログの主旨と一緒ですね。
    蛇足 ビジネスをデザインするとか事業をデザインすると言うときには、本来のデザインの意味で使っているような気がします。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

RSS 内田和成のビジネスマインド

  • BCGのコンセプト紹介の本を書きました 2016年11月3日
    今年2016年は、BCGが東京に世界で2番目のオフィスを1966年に開設してから...
  • 事業アイデアの発想法 2016年10月28日
    今日はビジネススクールの内田ゼミにBCG時代の同僚で現在事業開発のコンサルタント...
  • 学部7期生 2016年7月8日
    今日の合同ゼミには学部7期の卒業生の中澤君と薬丸さんも顔を出してくれました。明日...
  • ゼミ合宿 2016年7月8日
    今日は内田ゼミのMBA生と学部生の合同ゼミ初日です。例年土日の一泊二日でやるので...
  • 模擬授業のお知らせ 2016年7月6日
    来る7月24日(日)の午後、早稲田大学ビジネススクールでは2017年度の入試説明...
PAGE TOP
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。