昨日、品川女子学院校長の漆紫穂子さんに誘われて生まれて初めての生け花を習ってきた。この歳になってまさか生け花をやることになるとは思わなかったが、せっかくの誘いでもあるし興味もあったので、おそるおそるの感じで行ってきました。
先生の州村衛香さんが素晴らしい方だったこともあり、うまくおだてられながらのあっという間の120分でした。花や植物には表面や裏面があることも初めて知りましたし、素材の長さをある比率で揃えていくと極めてきれいなものが出来上がることも学びました。これまで生け花というのは、芸術の世界でアイデアや右脳の世界だと思っていたのが、数字や技術に支えられた科学の世界でもあるということが理解できて良かったです。
漆さん曰く、生け花は経営に似ているので、経営者に習ってもらいたいと言っていたが、その通りだと思いました。というのは、まず素材が自然のものであるから、まっすぐなものもあれば曲がっているのもある。いうことを聞く花もあれば、そっぽを向く花もある。漆さんに寄れば人間と同じだそうだ。さらに一つ一つの素材(人材)を活かすことも大事であるが、全体のバランスはもっと大事である。これって経営そのものだな。
さらに、いつまでも考えていると花が弱ってしまう。まず全体像をイメージしたり、部材を揃えることは大事だが、結局は、茎の長さを決めたり、枝を切る作業ではエイッヤーの決断が必須となる。
ご託はこれくらいにして、実際に作ってみた第一号作品はこのようなものである。もちろん、多少は先生に手伝ってもらったが基本的に私の自作である。批判は甘んじて受けよう、というより初めて作った作品をここで紹介すること自体、ちょっと変であろう。
漆さん、貴重な経験をありがとうございました。
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素敵な生け花ですね、心なしか左右対称、バランス感が良い気がします。この安定感は内田先生の経歴に裏打ちされているのでしょうか笑
私も生け花が好きで3年間習いました。植物には、普段はまっすぐでも少し力をかけると思い通りに曲がっていい味を出してくれるものがあり、どんな植物が曲がるのかを覚えていきます。菜の花は切って剣山に刺しても、日に日に背が伸びるので、そのことを計算して活けます。植物それぞれの特徴を知って、長所を活かし短所を補い、一番素敵に見える角度を探して活けるんです。全体のバランスは自分でいいと思っていても、先生のほんの一手で印象がものすごくよくなるのが不思議でした。 生け花の経験が経営に活きるのですね。次のお稽古の時はそういう視点を感じてみようと思います。
nottiさんへ
そんな経験が出るほど、余裕がなかったです。とにかく、分からないなりにエイッヤーでやりました。
生け花が経営に似ているというのを考えてみたのですが、作品を作る時、立派な枝や青々とした葉、時にはつぼみであっても作品のバランスに邪魔であれば、バサバサ切り落とすんです。初心者はそれらが勿体ないので、もっさりと葉や枝が残ったまま活けてしまいます。「生け花は切り落とす勇気だ」、とよく感じていましたが、そういうところも経営に似ているのかなぁと思いました。
mika.nさんへ
私は生け花は素人ですが、それでも全体像の大切さと個別のパートの仕上がり具合のバランスの大切さを感じました。経営で言えば大きなビジョン・戦略と日頃のオペレーションにおけるマネジメントの大切さに通じるものがあります。
一方で花は生き物なので、そのことを承知して扱うことや一度切ってしまうと取り返しがつかない難しさなども、人の扱いの難しさ並びに経営者の意思決定の難しさに通じるのかも知れません。こちらは実感として感じるには至りませんでしたが、漆さんが繰り返し言っていたことです。