先週の戦略とリーダーシップの講師はJR東日本の鎌田由美子さんだった。鎌田さんは現在は本社事業創造本部で企画を担当する部長さんであるが、昨年まではJR東日本の新しい小売り業態である「エキュート(ecute)」を展開するJR東日本ステーションリテイリングの社長さんだった人だ。
それまで、改札口の外ではルミネなどの駅ビル小売店を展開してきたが、駅構内ではKIOSKのような売店あるいは立ち食いそば屋・レストラン・コーヒーショップなどしか展開してこなかった。そのJRがまったく新しいタイプの小売店として、大宮、品川、立川などにエキュート(ecute)という大規模な構内小売店を展開しているが、それがまさに鎌田さんのやったことだ。私も何度か行ったことがあるが、女性に人気のあるテナントなどがたくさん入ったとてもおしゃれな店である。
JRのような伝統的大企業が従来にない新しいタイプの小売業を創り出していく過程を生々しく語ってくれた。男性中心の会社の中で30代だった彼女がどうやって、周囲を説得したり、部下を選んだり、あるいは育てていったかがよく分かる講演だった。
小売業では当然のことがJRの論理ではなかなか通用しない下りなどは、なるほどなるほどと頷きながら聞いていた。たとえば、小売業では顧客ターゲットを明確に定めることがよいとされているが、公共交通機関のJRでは万人にすべからく平等なサービスを提供するのをモットーにしており、それを説得するのが大変だったそうだ。
前回のゲストのリクルート出木場さんに負けず劣らず、熱い語り口でしゃべってくれたので、タイトルを「熱い女」にしようと思ったが、さすがに失礼かと思い表題に変えた。
彼女とそのチームの活躍については、その著書「ecute物語」(かんき出版)に詳しく描かれているので、興味のある人は是非一読してください。
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以前、日経ビジネスでも記事が掲載されていましたので、ご参考までに。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/skillup/20061023/112191/
foxtrotさんへ
記事の紹介ありがとうございます。