昨日用事があって郵便局を訪れたら、奇妙なチラシに目がいった。
郵便局がランドセルを売っているのだ。しかも郵便局限定商品だという。サンリオのキャラクターをかたどった郵便局オリジナルらしい。といってもどこかオリジナルかは私には分からなかったが、価格は35000円と39800円と49800円の3種類。決して安くはない。キャラクターは「ハローキティ」「シュガーバニーズ」「シナモロール」「マイメロディ」「チャーミーキティ」の中から選べるらしい。
しかもテレビで宣伝していることを見たことがある肩が楽になる「天使のはね」がついている機能性もあるランドセルだ。
最初はこんなものが郵便局で売れるわけがないと思った。しかし、どうして郵便局かと考えて、はたと思い当たった。そうかおじいさん、おばあさんに売るんだ。
おじいさん、おばあさんが郵便局に行ったときにこのチラシを見ると思い出す。そうだ、うちの孫は来年4月に小学校入学だ、なんか入学祝いを贈らなくてはいけない。ランドセルなら6年間使ってくれるからピッタリだ。情景が目に浮かぶようだ。これを考えたマーケターはすごい。
でもじいさん、ばあさんが子供の好きなキャラクターなんか知っているのかと突っ込みを入れたくなったら、表紙にはちゃーんと「お届け先様がキャラクターやカラーを選ぶこともできます」と書いてある。遠く離れた孫と祖父母のことを考えた泣かせる台詞だ。
ウーン、ストーリーがハマリすぎだ。やはりこんなものが郵便局で売れるわけがない。皆さん、どう思います。
一方、別のチラシも発見。こちらは海外に日本の食品を送ってくれるサービスだ。
主に海外に在住している知人や家族に日本食を送るニーズに対応していると考えられるが、これは便利だ。うちでは現在子供が二人も海外に行っている関係で、良く荷物を送る。でも食品の場合は、まず買いに行くのが面倒くさい。さらにそれを郵便局に持って行って、海外配送を依頼するのであるが、そもそも海外に送ることのできる食べ物なのか、日持ちは大丈夫かといろいろ心配事もある。さらに、たいてい中身の価格より送料の方が高くなってしまう。ところが、これは送料がとても安い。
こうした不安と面倒くささを一気に解消してくれそうだ。ただし、自分の好きなお店(ブランド)を選べるわけではないので、味はどうかは分からない。でも海外にいることを考えれば、味は二の次で本場物の日本食が食べられればいいであろう。
でもこれは我が家にニーズがあるからで、絶対量(総需要)は小さいかも知れない。
結局、今日の話は自分が買うか買わないか、使うか使わないかで成否を判断しているとも言える。
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後者のサービスは便利そうですね、
値段しだいで利用したい感じです。
私が留学していた時分、よく両親に日本食を送ってもらっていたものですが、検疫でよく没収されて悲しい思いをしたのを覚えています。
パッと見た感じ、画像の商品はお歳暮用みたいに映りますね。
内田先生、はじめまして。
ご著書「スパークする思考」を拝読いたしました。読みながら閃いたのですが、先生が情報に付けているインデックスは、インターネット用語であるTag(タグ)とも言い換えられるのではないかと思いました。「スパークする思考」の方法はとても閃きやすいと思えるので、今後実践したいと思います。
nottiさんへ
後者はうちでも使ってみようと思っています。カタログはまだまだ、郵便局の得意な産地直送便のカタログの雰囲気から抜け出てませんが、もしwebでこれらをやるようになったら、定番化しておもしろいと思います。テキサスにいる日本人が2週間に一回生うどんが定期的に届くなんて、なんか生協のサービスみたいですね。
TAKEOさんへ
コメントありがとうございます。
その通りです。脳みそにレ点を打つというのは、taggingをすることに他なりません。
コンピュータの世界でも、昔はDBでのインデクシングが大仕事でしたが、今ではtagで簡単にできるようになりました。
私のアナログ発想法も同じ考えで、敢えてきちんとしたインデックスを付けるのではなく、いい加減なタグでも良いやという発想です。データベース化する段階でエネルギーを使いすぎるよりは、活用することに精力を使おうという考えです。
はじめまして。
実は、郵便局のランドセルを子供の入学祝に遠方の母から贈ってもらいました。私としては、修理のときなど困りそうなので、近所の知り合いのお店で買いたかったのですが、「一緒に選べないのなら、プレゼントで送りたい」「郵便局なら間違いない」と母は思ったようです。
全体的な売り上げは知りませんが、実際に利用した人がいますよとお伝えしたかったので、コメントしました。
たくままさんへ
コメントありがとうございます。実際の利用者が身近にいたというのは、なかなか実感できないのでうれしいです。
おじいさん、おばあさんの心理状態をつかんだかくれたヒットなのかも知れません。