先日、日本マーケティング協会で講演を行ったときに頂いた弁当に透明なシートがご飯や総菜の上に敷いてあった。
総菜が汚れたり、ずれたりしないためによくある透明なシートである。
でもよく見ると、シートに白地で文字が印刷してある。何だろうなと思ってよく見てみると『安心をお届けします』「抗菌シート」「ワサオーロ」とある。さらに横にはワサビのイラスト入りだ。どうもワサビを使った抗菌作用のあるシートだということが想定される
こうした弁当用のシートは元々は誰でも作れて差別化の難しい商品だと思われるが、このメーカーはソノシートにワサビの成分をしみこませることで食品や弁当が腐るのを防ぐ付加価値を加えて売っていることが分かる。
この商品自体がどれくらい高値で取引されているのか(プライスプレミアムがどれくらいか)、あるいは競合製品があるのかどうかは分からないが、ある程度の差別化になっていることは間違いない。
差別化の難しい商品のことをコモディティというが、元々コモディティなのでしょうがないと思っていたものに、新たな機能を付け加えることでプレミアム化するのは、立派な戦略の一つである。
古くはお米は統制品でコモディティだったものが、今ではコシヒカリだけでなく、各種の品種が出てきて差別化競争を繰り広げている。野菜・果物・魚なども同様だ。たとえば福岡県のとよのかのイチゴや大分県の関アジ、関サバなどだ
あるいは今や水道水ですら、価格をつけて飲み物として売ろうという動きがある。
ちょっと変わったところでは、コピー機用のコピー用紙はコモディティの最たるものだったが、紙詰まりしにくい紙を開発して成功したメーカーもあった。
このワサオーロというのは名前や用途からして中小企業が作っているのだと思って、ネットで検索してみたら何とかかぐ品大手の三菱化学の100%子会社が製造していました。
http://www.mfc.co.jp/wasaouro/index.html
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