本日(12月10日)付けの日経経済新聞27面経済教室欄に私の論文が掲載されました。
テーマはリーマンショック以降の不況の中で、企業が中長期戦略をどう考えるべきかというものですが、一言で言えば事業連鎖を活用して活路を見いだそうというものです。
事業連鎖は異業種競争戦略の中で提唱している新しいコンセプトですが、これによりピンチだけでなく、どこにチャンスがあるかを見いだすことが可能になるという主張です。
下手をすると、市場が縮小していると考えて、すぐコストダウンやリストラに走る企業が多い中で、市場は縮小しているのではなくシフトしているのだと捉えるべきであり、それで初めてチャンスが生まれるというのが根底にあります。
マイケル・ポーターの5フォース分析はここでは通用しないみたいなことまで言ってしまっているので、反響があるのではと楽しみにしています。
詳細については、本日の日経新聞をご覧ください。もっと詳しく知りたい方は、もちろん「異業種競争戦略」を読んでください。
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内田先生、おはようございます。私は外資系運用会社勤務の40代です。日経の経済教室、縮小コピーを駆使し、手帳に貼り付けました。エッセンスが1pでコンパクトにまとまっているので便利です。もちろん、書籍も購入させていただきましたので感想を書かせていただきます。その前提といたしまして、大変わかり易いという大きな特徴があると思います。この点、コンサルタントの先生なので、ユーザー視点で書かれていてありがたいと思います。それに反して学者の先生の本や訳本は読みにくいものが多いと思います。訳本だとクリステンセンもの、ブルーオーシャン、バーニーものなど持っていても理解された方の比率は低い気がします。あと、WBSでは根来先生の本は大変わかりづらいです(苦笑)。
さて、内容については2点感想があります。
第一は、異業種格闘技は特定の業界だけでなく、あらゆる業界についてあてはまるということを気づかせていただきました。例えば、金融ではネット証券の例をあげられていましたが、サブプライムまでは投資銀行の収益に多大な影響を与えていた不動産ファンド、PEファンドは完全な異業種格闘技市場となっていました。例えば不動産ファンドは、既存大手不動産(三井、地所、森ビル)、外資金融系(GS、MS)、国内ベンチャー系(ダヴィンチ、PMC)、国内事業会社系(電鉄、商社)と多くの業界の混戦状態でした。
今後は、例えばM&Aアドバイザリーの分野においては、既存の国内・外資金融に加えて、国内独立系(GCA)、外資独立系、コンサル系が異業種格闘技を展開することが予想されます。
第2は、今後は各業界毎の異業種格闘技の戦い方が面白い研究テーマになるのではないかと思います。業界によって、参加者やルールが異なるのでしょうから、いくらでも研究ネタはあるような気がします。
内田先生のモジュールも金融機関の方がいらっしゃるようですが、銀行・保険の方で、ファンド・投資銀行の方はまだいらっしゃらないのではないでしょうか?
そうであれば、私も来年WBSを受験しようかなとか考えたりもするのですが、戦略モジュールは競争率が高いので、あえて会計モジュールを狙おうかなとかセコいことを考えたりもしています(苦笑)。
大変面白い研究だなと思いました。
ビジネスの本質を見る目 : Primero⇒independencia#168
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非常に面白い分析。日経新聞12月10日「経済教室」より。
<不況長期化の中での企業経営
業界の地殻変動 見逃すな>
記事内では、
((ポイント))
●価値連鎖を超越、事業連鎖で業界見据えよ
●市場のシフトにらんだ需要動向の観察を
●隣接領域が新たな成長領域を生む可能性
とされているが、幸い著者の内田氏のブログがあり、そこでのサマリーとしては、
[事業連鎖は異業種競争戦略の中で提唱している新しいコンセプトですが、これによりピンチ…
戦略/会計モジュールさんへ
長文のコメントありがとうございます。本文より長いので、感激です。
根来先生は大変仲良しですので、今後はもっと分かりやすく書くように進めてみます。
また、ビジネススクール受験を検討中とのこと、是非早稲田の夜間においでください。実に様々な業種やバックグラウンドの方がいておもしろいです。私のゼミにも銀行・保険会社以外にも元再生ファンドの人がいたり、結構多士済々ですよ。
競争率のことは私の口からは何とも言いかねますが・・・。