2つ目は、お金と人材すなわち「経営資源」である。今はベンチャー企業をやろうとする人間に資金を出す人間あるいは企業には事欠かない時代であり、自分でお金を持っていなくても容易に起業できる。また、そのお金を出す投資家も、慈善事業で出すと言うよりは、将来成功した場合の上場益や売却益を期待して出す訳である。一方で、ベンチャー企業経営を目指す若者も後を絶たない。最近では、大企業思考の強かった東大生でもベンチャー企業に入社するものが結構いるという。また投資家だけでなく、起業家にとってもお金が大きなインセンティブになっていることは間違いがない。誰もが楽天の三木谷さんやソフトバンクの孫さんを目指すわけである。また、大企業に勤めていた人間がベンチャー企業に移って自分のスキルを生かしていくという例も増えてきている。
3つ目が「意識の問題」である。以前であれば、世間は大企業を一段も二段も高く見て、ベンチャー企業を蔑視する嫌いがあった。ところが、様々なベンチャー企業が登場し、社会の新しいニーズを満たすようになっているのを見て、社会がベンチャーを見直すようになった。もちろんライブドア事件などのせいで、一部逆戻りもしているが、総体としてはプラスに評価する方向へ変わっていると思われる。たとえば、最近話題になっているデザイン性の高い家電アマダナ(amadana)、低価格でしゃれたテレビを提供するバイデザイン(byD:sign)などは皆ベンチャー企業である。こうした家電製品を一般消費者が松下やソニーの製品を買うのと同じように購買するあたりに消費者意識の進化を見る。
こうしてベンチャー企業が経済的にも成功し、社会的にも市民権を得るにつれ、ますます新しいベンチャー企業の参入をもたらすことになり、そこかしこで異業種格闘技が行われる。
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