ブログ

「観、感、勘」続き

夏休みで、ブログの更新を怠っているにもかかわらず、相変わらず大勢の人に見てもらっていて、ついにページビューが10万回を超えました。すごいことです。
どうもありがとうございます。

今日は先日の「観、感、勘」について、青山学院のビジネススクールで教えていたときの学生の橋本さんから、メールももらいましたので紹介します。(もちろん、本人の了解は取っています)。

先生が15日にアップされた『観、感、勘』を拝読させていただきました。

生意気ながら、最近、橋本がつらつら考えますに、何かひとつの仕事を完結してい
くときに必要なのは、
やはり、最後は『勘』(人には上手く説明できないのですが、自分としては自信が
あるというか、迷いがない
状態)のような気がしているのです。

ただし、絶対に必要なのは、『何も調べない、今までの経験だけ』で勘を働かせる
ことではなく、
判断の材料に必要な情報(現地に行く、最新の数字周りの情報を集めるなど)、や
れることは
全てやった上で、その中で、最後の決断は、勘に任せるといった感じになるのでは
ないかな・・・と思うのです。

仮説思考で先生がおっしゃっていたとおり、ある程度結論を決めてから、情報を集
めていくと、正しい場合には
きれいに道筋が描けることも、きっとそうなのだろうな~~と思うのですが、
どっちに向いて良いかがわからない、雲をつかむような問題の場合には、最後は、
腹をくくると申しますか、
勘を働かすと申しますか・・・という感じなのだと思うようになりました。

橋本が、最近「これは良い」と思っている方法は、下記のとおりです。
何か新しいことをするときには、24時間から48時間くらいで、とにかく闇雲に情報
を集めてみます。
本でも良いし、インターネットでも良いし、担当者の方のお話やグチでも良いし・
・・で、大体集まったものを
一旦、頭の中において、数日頭の中でもむ感じです。
そこで、色々な思考やアイディアは沸いてくるのですが、そこで、結論を出さずに
、一旦、脳にしまって
他の仕事をしたり、ぼんやりと考える時間を設けるのです。
その問題の当事者ではなく、傍観者として問題を遠目でみるくらいの心境がベスト
なような気がします。

私は、この期間を『熟成』と読んでいるのですが、そうして良い感じで『熟成』が
進むと、
ある日、私の場合江戸川沿いをジョギングしていたり、ウォーキングしていたりす
ることが多いのですが
そのときに、『あ、あの問題は、こっちの方法の方が良いや』とか、『この問題点
は、ここだったのか~~』と
頭にぽんと解答が沸いてくる感じなのです。

そのときは、なぜか確信に近いものがあって、迷いがないといいますか、その結論
に向けて、がむしゃらに
仕事を片付けるといった感じになります。
この場合は、プロジェクトのメンバーにも、迷いなく、色々とお願いごとができる
ので、仕事の進みも、とても
良い感じで、結果も良いことが多いです。

これは、先生のおっしゃる『勘』に該当するものですか?

経験、数字、情報だけでは説明できないものがあって、センスという言葉に集約さ
れてしまうのかもしれないのですが、
先生のおっしゃる『観、感、勘』をどのくらいお持ちなのかによって、結果が、全
然違ってくるのだろうな~~と、
感じています。
『観、感、勘』を、身につけて、良いお仕事を継続的に、楽しくできればステキな
ことだな~と、思っております。

橋本さんへ

あなたの行っていることは、立派な仮説思考であり、また勘を働かせていることだと思います。多くのプロフェッショナルも、勘の大切さを説いていますが、勘が冴えるためには同時に経験や試行錯誤が大事なことを言っています。
橋本さんにも勘を働かせるための経験がたまりつつあるのだと思います。
Keep going!

内田和成

関連記事

  1. 嶋口研究会
  2. 女性のみへのメッセージ
  3. 論点思考記事になる
  4. 論点設定の重要性
  5. Good news と Bad news
  6. 論点思考が一位に
  7. 朝活
  8. 論点思考、電子書籍になる

コメント

    • 矢部
    • 2007年 8月 29日

    いつも興味深く拝読させて頂いております。
    (このブログはもちろん、書籍や講演も楽しませて頂いております!)
    さて、件の「勘」のお話、まさに仰る通りだと思います。
    特に上記の橋本さんのエピソードにある、『熟成』とその後にある解答の『降臨』、さらに何故かその解答が正しいという『確信』が伴っている、というご経験、非常に共感できました。
    以前の私は、この『降臨』が非常に偶発的で受動的な「イベント」だと思い込んでいたのですが、
    ①これはスキルであってトレーニングすれば伸ばせること([観+感]×熟成=勘?)、
    ②そしてそうやって得たアイデアが実務において有効であること
    を、内田先生のお話を通して学びました。
    どうもありがとうございました。
    ちなみに、インプット×熟成=アウトプットという手法は、書籍「アイデアのつくり方」(TBSブリタニカ)に簡易にまとめられており、こちらも参考になりました。
    共感できたことがとても嬉しく、ついついコメントを書いてしまいました。(失礼致しました。)
    頻繁なブログ更新はとても大変だと思いますが、イチ読者としてとても楽しみにしておりますので今後もがんばってください!

    • 内田和成
    • 2007年 8月 30日

    矢部さんへ
    コメントありがとうございます。
    BCGのコンサルタントにも、いろいろ思いついたアイデアは、いったん一日放って置いて翌日改めてまとめるという人がいます。これも橋本さんと同じ熟成だと思います。
    降臨というのは何か神懸っていますが、そういうことって私にも良くあります。私はそれをスパークすると言っています。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

RSS 内田和成のビジネスマインド

  • BCGのコンセプト紹介の本を書きました 2016年11月3日
    今年2016年は、BCGが東京に世界で2番目のオフィスを1966年に開設してから...
  • 事業アイデアの発想法 2016年10月28日
    今日はビジネススクールの内田ゼミにBCG時代の同僚で現在事業開発のコンサルタント...
  • 学部7期生 2016年7月8日
    今日の合同ゼミには学部7期の卒業生の中澤君と薬丸さんも顔を出してくれました。明日...
  • ゼミ合宿 2016年7月8日
    今日は内田ゼミのMBA生と学部生の合同ゼミ初日です。例年土日の一泊二日でやるので...
  • 模擬授業のお知らせ 2016年7月6日
    来る7月24日(日)の午後、早稲田大学ビジネススクールでは2017年度の入試説明...
PAGE TOP
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。