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問題をいくら解決しても企業は良くならない

今日はいつもの異業種格闘技とはちょっと異なるテーマです。

昨日から書店に並んでいる東洋経済新報社の雑誌「Think!」最新号に“【論点思考】真の問題を発見する「問い」の立て方、考え方”という記事を書きました。

Think_1

一言で言えば、問題をいくら解決しても企業は良くならないという話です。
答えを出すべきは「論点」に対する答えであり、それなくして問題解決を図るのは労力と時間の無駄だという話です。
ここで言う論点とは企業が解決すべき課題のことです。経営コンサルタントがお金をもらって取り組むのも、この論点に答えを出すためであるといってしまうと言い過ぎかも知れませんが・・・。
ちなみに、世間で我が社の問題点は○○であるといったり、我が社にはこんなにたくさんの問題があると言う場合の問題点とか問題は、実は単なる現象のことが多く論点ではないことが多い。
たとえば会社が品質に不良のある製品を出荷してしまい、それが新聞のニュースで取り上げられてしまった。大事であるが、これが問題であると捉えると失敗する。
これは単なる事象であって、論点ではない。この場合の論点とはいくつも候補がある。たとえば、こうした問題が経営層の知らないところで起きていたり、勝手にマスコミに漏れていったりしたとすれば、社内の連絡・報告体制に問題があるというのが論点になりうる。あるいは工場での品質問題というのが日常茶飯事で起きているとすれば、論点は生産管理や品質管理の能力不足と言うことになる。一方で、こうした問題を経営トップが知りながら、隠蔽しようとしていたとすればトップの資質やガバナンスが論点となる。あるいは、実はたいした問題でもないのに間違って報道されてしまった場合は、会社のブランドイメージが傷ついて、有形無形の損害を受けのをどう解決すべきかというのが論点となる。
こうした時に何が会社にとって優先的に解決すべき論点かは、会社が置かれている状況や、その現象の起きた真因が何かあるいはその論点を放置した場合のインパクトの大きさなどで変わってくる。しかし、多くの場合すべての問題点を列挙して、すべて解決しようとする。これは時間と経営資源の無駄である。最も大事な論点に集中して取り組み、それに答えを出していく、すなわち解決策を立てていくことが重要となる。

興味があったら、是非本誌を読んでみてください。

また、このテーマで2月に六本木ヒルズのアカデミーヒルズで講演をやります。
http://www.academyhills.com/biz/think_biz05.html

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コメント

  1. 内田先生、
    ブログ開設ありがとうございます!
    先生の講義を終了し、半年経とうとしていますが、仮説思考と問題解決方法。
    そして、複眼的に事象を捉える思考を教わり、本当に感謝しています。
    私も細々とブログを講義が終了した9月から立ち上げました。
    ブログの主旨は、損害保険業界ヲ変えるというものです。先生から教わった志向をメディアを通じて発信しています。まだ微力ですが、これからも頑張りたいと思います。内田先生の、志向、思考をこのブログを通して、また勉強できると思うと嬉しくてたまりません!
    またお会いできる日を楽しみにしております。

  2. Problem とIssueの違いと理解いたしました。(万一違っていましたらすみません。)
    Issueの良い日本語がないのは困ると思っておりました。「イッシュー」とカタカナで書かれたり、小生は「課題」と言ったりしておりましたが、「論点」というのも英語との対応がつけやすくわかりやすいですね。
    いずれにしても、日本語の中でProblemとIssueの違いがきちんと使い分けられるようになると、日本の世の中はずいぶん良くなるのではないかと思っています。

    • 内田和成
    • 2007年 1月 22日

    WBSさんへ
    コメントありがとうございます。
    まだまだブログ新入生ですので、いろいろ教えてください。
    損害保険のブログを拝見するのを楽しみにしています。
    また大学で会えるといいですね。

    • 内田和成
    • 2007年 1月 22日

    LMNさんへ
    なるほど、ProblemとIssueですか。分かりやすいかもしれませんね。
    正確に言えば日本語でみんなが問題と言っているのは英語で言うと"event", "observed fact" あるいは"phenomenon"とでもいうのでしょうが、要するに伝えたい相手に分かりやすいことが大事だと思います。
    コンサルティング会社で最も頻繁に飛び交う言葉が、「論点は何か」と「仮説」です。
    どうもありがとうございます。

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