一昨日の日経新聞交遊抄は、作家の梯由美子(かけはしさんと読む)さんだった。梯さんは第二次世界大戦で全軍玉砕した硫黄島の総指揮官だった栗林忠道中将を扱ったノンフィクション『散るぞ悲しき』を書いた人だ。
その梯さんがポケットのノートと題して取り上げているのが、いつもポケットに小さなノートを入れていた作家の東君平から梯さんへのアドバイスだ。
編集者だった梯さんが編集社を辞めて作家になるに当たって、こう言ったそうだ。
「筆を汚してはいけませんよ。」、「お金がなくなったら友達に借金するか男を騙すかしなさい。おかしなものを書くよりずっといい。」
こういう話が大好きだ。
プロなら、この心意気で仕事をしないと、プロじゃない。
このアドバイスをしてくれた半年後に東さんはわずか46歳で亡くなったそうだ。
新聞には作家とだけ書いてあったが、ネットで調べてみると、童話を書いたり、切り絵を得意としていたらしい。
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