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エスカレータの右と左

先日、大阪に行ったときに改めて感じたことが、東京と関西での習慣の違いである。

たとえば、東京では電車に乗るときにきちんと3列になって待っていて、降りる人が済んでから前の人から乗っていく。ところが大阪では、電車が来るまで整列するところは同じだが、乗るときが違う。電車を降りる人が降りきる前に乗ってしまう人が結構いる。却って、乗り降りの時間が遅くなるのではと思うが、これが関西流のせっかちなのだろう。

あるいは、エスカレータで急がない人が並ぶのは東京では左なのに、大阪ではなぜか右である。どちらも、その土地で慣れてしまえばどうって言うことはないが、久しぶりに関西に行ってエスカレーターに乗ったときなど、知らず知らずに東京流に左に立っていて、急いでいる人のじゃまをしている自分に気がつく。
同じ国でなぜこんな違いが生まれたのだろう。誰か知っている人いませんか?

だから、どうのということではないが、その土地土地のやり方があって、おもしろい。

そういえば、昔大阪で営業をやっているときに、お客さまに毎月の料金を振り込んでもらうときに、勝手に振り込み手数料を総額から引いて振り込まれてしまい、文句を言ったことがある。すると、本来こちらから集金に行くべきところを、お客の方が銀行まで行って振り込んでやっているのだから当然だろうと言われたの思い出した。もちろん、その分の料金は頂きませんでしたというか、もらえませんでした。

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コメント

  1. こんにちは!
    面白いですね。その土地土地のやり方、知っていくと奥が深いです。
    福井に嫁に来た時、「おにぎりの作り方」で「ええ?!」と思いました。
    私が、手塩をつけておにぎりを握っていると、「それでは塩がおにぎりの表面だけで中に塩の味が行き渡らないでしょ?」と言われました。「じゃあどうするの?」と思っていましたら、ご飯に塩をふり、混ぜてしまいます。そして握っていくのです。なるほど・・・でした。
    それからおにぎりはご飯に塩を混ぜてしまってから握っています。

    • okai
    • 2008年 4月 09日

    大阪での万博の際に、
    大阪ではエスカレーターの乗り方も世界基準に合わせて右優先とした、と聞いてます。
    (違ってたらすみません)
    もしそうだとしたら、
    世界的には東京こそ例外、になってしまいますね。

    • Kazuki
    • 2008年 4月 10日

    四百年前の合戦との直接の因果関係については存じませんが、東海道本線の【関ヶ原】を境に、西がエスカレーターの右、東がエスカレーターの左を急がない人が並ぶと聞きますね。
    雑学的な話で申し訳ないです。。。

    • 内田和成
    • 2008年 4月 11日

    kumikoさんへ
    おにぎりを握るときに手に塩をつけるのは料理をしない私でも知ってましたが、最初から塩を混ぜ込むというの初めて知りました。合理的といえば合理的ですが・・・ちょっと抵抗があるかな。食べてしまえばどうって言うことないのでしょうが。
    kumikoさんのコメントを読んでいて、昔大阪勤務で初めて関西風のうどんを食べたときに汁が薄くて中のうどんが透けて見えるのにとても驚いた記憶があります。それまで私が食べるうどんは醤油が濃く、汁が不透明で中のうどんがほとんど見えないような濃い味付けだったのです。
    最初は、こんな薄いうどんが食えるかと思った私ですが、3年も過ごす内にすっかり薄味うどんのファンになり、今では東京でも讃岐うどんを探して薄味うどんを食べるようになりました。

    • 内田和成
    • 2008年 4月 11日

    okaiさんへ
    そうなんですが、大阪がグローバルスタンダードなんですか、知らなかったな。
    今度海外に主張したり、旅行に行ったときに注意深く見てみましょう。

    • 内田和成
    • 2008年 4月 11日

    Kazukiさんへ
    グローバルスタンダードから、ついに関ヶ原まで、内田ブログも広がりと深さが出てきましたね。
    そういえば、電気も静岡県のどこかを境に50Hzと60Hzに変わりますね。
    うどんのつゆもどこかを境に透明と不透明が逆転するのでしょうか?
    関東は主に豚肉を関西は牛肉を食べるという話や、関東人は納豆を食うが関西人は食わないなんて話もありましたね。
    いろいろな事例の分水嶺を調べるだけでも1冊の本になりそうですね。もうあるような気もしますが・・・。

    • ちょう
    • 2008年 4月 11日

    先生、お久しぶりです!
    東大のMOTの時は素敵な講義をありがとうございました。
    偶然、このblogを発見しました。
    エスカレーター、関東ー関西、左ー右
    このお話にインスパイアされました。
    歴史の先生から、左と右の関係は、左大臣と右大臣の待遇(朝廷時代の組織論!)に関係していると習ったような記憶がよみがえりました。
    たしかに、文化になんらかの影響を与えているようです。
    このモデルについて調査をしたところ、雛壇にもあらわれている現象であることがわかりました。
    http://www.nagano-cci.or.jp/tayori/bn/seso_632.html
    また、着物の帯の巻き方にもあらわれている模様です。
    先生に習ったことと組み合わせると、いろいろな仮説が考えられそうな逸話です。
    ちなみに、以前、自動車関係の仕事をしていたとき、黄色信号についての考え方の違いがよく言われていました。
    関東 「黄色信号、赤信号になる、止まれ」
    関西 「黄色信号、赤信号でない、進め」
    他の国からみたJapaneseって関東人の印象があるのかも。
    おもしろいですね。
    またお会いできる日を楽しみにしています。

    • 内田和成
    • 2008年 4月 13日

    ちょうさんへ
    そうですか、MOTの講義をとってくれていたのですね。
    私にとっても、3年間だけでしたが、思い出に残る講義ができました。
    右・左の話は実は奥が深いのか、たまたまなのか分かりませんが、次々事例が出てきて楽しいですね。
    車の右側通行・左側通行も何か理由があるのですかね。何せ本家イギリスが左で、分家のアメリカが右ですからね。

    • ちょう
    • 2008年 4月 16日

    MOTではゆかいな同期たちに出会えて、財産になりました。自分たちをサッカーチームにたとえるとどんなチームかなんて話をしたりしてました、笑ってしまいます。
    内田先生の講義は大評判で、私は1期生の方のおすすめで受講しました!それにしても、先生、サッカーも好きだったとは。
    サッカーと自動車は私も大好きな話題ですが。
    車の右側通行・左側通行。。。
    むずかしい!けど、おもしろい!
    思い出したことがあります。
    左ハンドルと右ハンドルが関係しているという説
    = 運転手が真ん中説。
    自動車同士の追い越し・追い抜きや自動車と歩行者の対面通行のとき、安全に運転できるように、運転手を道路の真ん中にしたというお話です。
    では、なぜイギリスが左で、アメリカが右に?
    なぜ、左ハンドルと右ハンドルが生まれたの??
    うーん。。そういえば、馬車説についても聞いた気がする。
    私は、少なくとも、日本はイギリス流を習ったのかもという仮説をもっています。
    というのも、MOTの同期生につれられた映画を思い出したからです。明治維新のころ、海外視察団がイギリスに行って技術を習うストーリーだったのです。
    また、イギリスと日本は島国であることも気になります。
    アメリカでは国土が広いから、新聞は日本のように全国紙が成立しないということも思い出し、いよいよメディア論にまで広がってまいりました。
    先生はなぜだと思いますか?
    折に触れて、ご見解を聞かせていただけるとうれしいです。
    私も自動車の話が好きです!楽しみにしています。
    (自分自身は運転がへたなんですけど)

    • 岩井琢磨
    • 2008年 4月 16日

    私は大阪出身でして、子供の頃、母に「関西-エスカレータ右並び」の理由を聞いたことがあります。
    生粋の大阪・ミナミ人の母曰く、
    「大阪は商売人の街。昔はぎょうさんの人が風呂敷包を抱えて歩いとった。持つのは大体右側。だからエスカレータに乗るとき、通りすがりに盗られんように右側に寄って立つようになったんよ」と教えられました。妙に納得した覚えがあります。
    説としては怪しいですが、「商売」話で落ち着けるあたりも、大阪らしさを感じます。

    • 内田和成
    • 2008年 4月 19日

    ちょうさんへ
    MOTの講義を気に入ってもらって良かったです。
    私も母校に恩返しできてうれしかったです。
    あの講義を取っていた現役の学生(大学院生)も今BCGでコンサルタントとして活躍してくれてます。
    それにしても、エスカレータの右左、予想以上に盛り上がりますね。おひとり様以来かな?
    車については、たぶん科学的な理由か政治的な理由があるような気がします。あれだけの大規模なシステム(車だけでなく、道路などのインフラ)を単なる思いつきで右や左にするわけはないと思いますので・・・。
    日本が左側通行になったのはイギリスをマネしたというのは、その通りでしょうね。
    しかし国の間の移動が当たり前になった現在、左側通行をかたくなに守っている国は、イギリス、日本、オーストラリアと島国ばかりですね。
    大陸で国が変わる度に右や左が変わっていたら、事故続出でしょうから。

    • 内田和成
    • 2008年 4月 19日

    岩井さんへ
    風呂敷包み説、おもしろい。
    昔の武士が、右手で刀を抜きやすいように左腰に刀を差し、それを抜くときに右側が壁だとじゃまになるので道の左側を歩いたという話を思い出しました。
    ということは、もし刀が残っていれば、歩行者は左側、車は右側になっていたかも知れませんね。すなわち、日本で車が今左側通行なのは、明治時代の廃刀令に端を発しているかも知れませんね。
    議論が飛躍しすぎですって、でもこれくらい発想を広げないと・・・。

    • ちょう
    • 2008年 4月 20日

    MOTプログラムから、ジャパニーズ・ダンディ(!)の系譜が受け継がれている由を知れ、頼もしい限りです。
    エスカレーターの右左、予想以上の盛り上がりが面白いですね。これはきっと「いろいろな事例の分水嶺を調べる」本が待たれているのかもしれません?!
    MOTのみならずMBAでも講義をもてる先生の度量から、どういう発散と収束が生じるのか楽しみつつ、再び、調査報告にやってきました。
    車の左右運行について、図書館で調べてみたところ、ダイレクトに問題として提起している本は、なんと「児童図書」でみつかりました!
    『世界を知って日本を知ろう』(学研の児童図書)はおもしろかったです!「日本はほかの国の車をそのまま輸入していますが、日本の自動車会社はほかの国にあわせてハンドルの位置をかえてつくっています」なんて刺激的な話題がありました。
    更には、国境についても先取的な話題がありました!国境付近は交通量が少ないから、「注意書き」が非常に効果を発揮しているとのことです。
    ほかの「くるまのほん」たちもわくわく感があっておもしろかったです。「ほかの国」の「くるまのほん」はどうなんだろう?
    専門書から、エスカレーターは日本橋の三越で、大正三年にはじめて導入されたことがわかりました。パリ万博にアメリカが出展していたのを買い付けたようです。
    和書の出版年代や区分の経緯をみて、時代ごとの計量・インパクト、ネットワークの意味・範囲などのフレームに変化が生じていることが浮き上がってきました。
    そんな目線で、Webでいろいろな話をみました。戦後、アメリカ流に変える話があったが車のハンドルを切り替えるとなるとコストがかかるから諦めた、とか、沖縄は返還前まで右側通行だったといった話題が目をひきました。
    そんな話をみつつ、「昔は免許なんてそうそうとれなかったんだ」と語るやんちゃミドルたちのちょっと自慢気な笑みを思い出しました。
    それではなぜイギリスは左側を?を調査しようとしたところ、私はさっそく「交通計画」と'Transport planning'のアプローチの違いに前後左右にふられました。
    いよいよ運転はオートマじゃ片付きそうもありません。
    先生の自由自在マニュアル運転に期待しています!

    • 内田和成
    • 2008年 4月 28日

    ちょうさんへ
    コメントありがとうございます。いろいろ調べていただいて、私も勉強になりました。
    沖縄の話は私は実体験していて、書こうかなと思っていたところでした。沖縄は昭和47年に返還されましたが、それまではパスポートがないと行けない場所でした。私の友人が大学1年の時に行ったので良く覚えています。
    私の経験は、返還後沖縄に旅行したときです。ちょうど右側通行が左側通行に変わった直後でした。
    タクシーの運転手が最初は左側通行だったのに、途中から右側を走り出しました。あれ片側2車線に変わったのかなと思ったら、そうではなくて反対側からクルマが同じ車線を走ってきました。あまり交通量が多くないために、運転手さんが勘違いで右側通行に戻ってしまったのでした。ああ、怖かった。
    右と左の違いは、インドのように左手が不浄の国もあれば、その逆の国もありそうで、世界の右と左の違いをまとめると結構おもしろい比較文化論になりそうですね。

    • ちょう
    • 2008年 5月 14日

    比較文化論、おもしろいと思います!
    インドのおはなしは印象深いですね。
    (沖縄のおはなしはスリルがあって印象深いです!)
    私は、事例を探しているのですが、まだ、これというのにあたっていません。
    ご存知の方いらっしゃいましたら、ぜひ、教えてください。

    • 内田和成
    • 2008年 5月 17日

    ちょうさんへ
    左と右は盛り上がりましたね。
    私の知っている社長さんは、訪問したときに向かい側に座らずに、横の席に来ます。正確に言えば、四角いテーブルの向かい合わせの2辺ではなく、隣り合った2辺に座るのです。こうされると、異常に近づいて、嫌でも親密にならざるを得ません。
    右と左とは少し違いますが、人から好かれる人は、天性なのか作戦なのかは別として、すごいなと思います。

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