私はヘボだが碁が好きで、昔サラリーマンをやっていた頃は良く打っていた。上司の部長と昼飯を賭けてやっては良く負けて奢らされていた。普段は4目も置くと良い勝負なのだが、賭けてやると必ず負けるのだ。
さて本題である。最近読んだ本に囲碁のプロ棋士である依田紀基氏が書いた「プロ棋士の思考術」がある。副題に大局観と判断力とあるくらいだから、経営やビジネスに役立つヒントがいっぱいある。経営にも人生にも大局観が大事だという話につながる。
ただし、囲碁を全くやらない人には少しぴんと来ないところが多いかも知れない。
例によって私のお気に入りのフレーズを紹介しよう。
序盤の布石で大事なことは、「考える」ことでも「読む」ことでもなく、「イメージ」を広げることだそうだ。経営でもあまり数字や論理を積み重ねるより、あることがうまくいった場合にどうなるかをイメージすることが大切だ。
依田氏によると「読みとは、置いてない石が盤に置いてあるように、形をイメージすることである。」これには参った。ついつい、私がこう打つと敵はこう打つ、そうすると私はこう打ち返すという「読み」ばかりやっていた。
「まず、どのような形がよいのか、どのような形を自分は望むのかをイメージする。それが出来なければ、いくら相手の手を予想しても仕方がない。」うーん、なるほど。
「心の持ちようは、現実を左右するほど大きなものだ。名人になりたければ、なる前から名人の心を持って、そのように振る舞えばよい。」
私が常に言っている、ビジネスマンたるもの常に2つ上のポジションに自分がいると思って仕事をせよに通じるものがあるな。
「私は対局に臨む前に、あらかじめ第一手を決めないタイプの棋士だ。第一手は、その場の雰囲気を大事にして決める。対局場で、盤の前に実際に座らないとわからない気配、見え方というものがあるのだ。」
これも私が、大事なミーティングで経営トップに臨むときに似ている。もちろんある程度の想定はするし、資料なども必要であれば事前に読み込んでおく。しかし、実際には用意しておいた資料を使わないことも多いし、その場で思いついたことから会話を始めることも多い。
こういう話を聞くと(読むと)、私がやっていることもあながち変ではないのだと安心するというか、自信につながる。
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