朝日新聞のGlobeというサイトにとても良いインタビュー記事が載っていた。
それは、Break-through(突破する力)というシリーズでいろいろな業界のプロフェッショナルを取り上げたものだ。友人であるリクルートの柏木社長も登場している。
その最新版に日本航空で初の女性機長を目指す立川円(まどか)さんが取り上げられている。まだ31~2歳の若い副操縦士であるが、なかなかしっかりしている。
その中に大変興味ある一節があった。プロフェッショナルかくあるべしのお手本のような話だ。とても気に入ったので紹介しよう。
操縦室では、日々替わる機長が座る左席を観察する。乗務中に聞けなかったら、移動時に車中で機長に尋ねる。気づいたこと、感じたこと、指導されたことは、フライトの基本情報を印刷したA5の紙の裏に書き留める。それをファイルし、読み返す。その「バイブル」の中に、酒の席でベテラン機長に言われた言葉がある。
「最初は皆、飛行機を腕で飛ばそうとして、技を磨く。次に経験と知識を生かし、頭で飛ばそうとする。でも、結局は心で飛ばすんだ」
この最後の文章が良い。これはプロフェッショナルな職業なら、みんなに当てはまる言葉だなと思った。
そう思った直後に、ちょっと待てよ。経営コンサルタントの場合はちょっと違うかな、
「最初はみんな頭で答えを出そう、顧客を説得しようとする。次に技を磨いて、顧客を納得させようとして、それでは足りない何かを感じて、最後には心で顧客に答える。」
の方が、ぴんと来る。
でも、コンサルタントに必要な要素はパイロットと同じだ。
私は常日頃、若手コンサルタントにコンサルタントに必要なものは「心」と「技」と言ってきただけにこの機長の言葉はうれしい。
オリジナルのサイトを見たい方は、
http://globe.asahi.com/breakthrough/090622/01_01.html
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私は、経験で仕事を覚えてやっていくなかで、テクニックを覚え、経験の中から経験知をヒントに頭で考えるという域をでていないと思っています。小さくトライして大きく広げていくのが一つの定石と体に染み付いてしまっています。
何かをマスターする際には、書かれているように心、技、頭ということになるということで日々の感度が必要で、日々をしっかり有意義に生きるということが一つの礎であると日々痛感するとともに、優秀な若手からは時々からかわれています。
話は変わりますが、最近私が読み返した「イノベーションのジレンマ」から内田さんのこのブログのテクストを読むとどうなるかは、興味がありますが、内田さんはどのように思われますでしょうか。
今出M21星雲さんへ
イノベーションのジレンマからのダイレクトな答えではないですが、私がコンサルタントのバイブルにあげている「パラダイムの魔力」からこのコンテクストを解釈すると、
「人は見えるものを信じるのではなく、見たいものを見てしまうのだ、だからパラダイムが危険である」というくだりがあります。その流れで言うとプロフェッショナルというのは、事実を事実として客観的に見るスキルと心で見るスキルの両方が必要なのかなと言う気がします。
ご回答ありがとうございました!
本日、本年度入社で私のいる事業所に配属の社員約30名に、内田さんから教えて頂いた「ブタとブス」の話と、慶應ビジネススクールにある金さんの作成したケースメソッド「東芝クレイムホームページ事件」の話、そして取引先の倒産事例等を自戒を込めながら社外折衝の難しさの話をしました。みんな真剣に討議してくれました!
一方的に新入社員と話しているとわかりませんが、結構最近の若い人はグループ討議をすると結構いい意見を考えて言ってくれます。
このホームページは話す内容を豊にしてくれています。m(_ _)m
このブログの記事を部下に話したり、人に話すときのネタにしてくれている経営者やリーダーはたくさんいます。ありがたいことです。