今日は講演の仕事で福岡に来ている。
さっき仕事が終わってホテルの部屋に戻ったところだが、たまたまNHKでプロフェッショナルの流儀をやっていて生物学者の上田泰己を取り上げていた。
彼は体内時計の世界での第一人者だそうだが、私が感心したのは別の話だ。
彼が研究に行き詰まったときに、高校時代に彼の運命を決めたと言っていい恩師の緒方先生が重病という連絡をもらって福岡に里帰りしたときの話である。
お見舞いに行ってみると彼は肝臓ガンでも宇余命幾ばくもないことが上田さんにも分かったし、緒方さん自身も分かっていたそうだ。その緒方さんが、上田さんの帰りがけに、1冊の本を差し出して、これを貸してあげると言ったそうである。もう余命がない人なので、あげると言ってくれると思ったのが貸すと言われた参ったなと思ったそうである。物理的に返すことができないからである。
その本は「生命の本質」という古典だったようだが、その中の一説を読んで、上田の研究魂に再度火がついたそうである。要するに画期的な研究をすることで、恩師にお返しをしようと言うことである。
こういうプロ魂が大好きだ。
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先生、こんにちは。
プロ魂ですね。
会社いきつつ、大学に行くからには、
先生から教わったことを仕事で日々活かしてかないと…と
あらためて思いました
あらためて思ってちゃいけないのですが…
辻さんへ
コメントありがとう。
来学期にまた教室で会いましょう!