今日の孫正義さんと評論家の佐々木俊尚さんのUstreamによる光の道対談はいろいろな意味でエポックメイキングである(既に3時間半過ぎているのにまだ終わっていないのがすごい)。
孫さんがUstreamに入れ込むのがすごくよくわかる。
議論の内容は、お互い譲らないので若干かみ合っていないところがあったが、結局は、お互いネットワーク社会の夢を追っているところでは同じではないかと感じた。
たとえば、佐々木さんが言うところの3層の真ん中が日本では欠けているところでは孫さんも同意すればいいのに・・・。一方で佐々木さんも、プラットフォームというかインフラの重要性は素直に認めてしまえばいいのに・・・。
個人的には孫さんは好きだし、佐々木さんは尊敬している。
実は孫さんとは20年近く前に何人かで六本木まで飲みに行ったことがある。その時から、今と変わらぬ熱い男だった。しかし、何がすごいと言ってこの歳まで、あの熱さを維持しているのがすごい。頑張って欲しいと思います。
一方で佐々木さんは「グーグル」を読んだときからすごいと思ったが、先日のNHK放送といい、今回の対談といい、権力や時の人への挑戦する姿勢が好きだ。
最後、この対談がどうなるか分からないが、孫さんはファンを増やしただろうな。結局、得したのは孫さんかも知れない。Ustreamもこれを機会に市民権を得るのかも知れない。
この内容は、本来Twitterで書きたい内容だったが、とても140字に収まらないのでブログにしました。文章がこなれてないことをお詫びします。
追記(結局5時間にわたって行われた今回の対談、ブログ執筆後の議論も踏まえて、若干の加筆を行いました)
最後にニコニコ動画から出てきたiPadにおけるSIMロックがかかっているのは、孫さんが言っている天下国家の話と矛盾するのではないかという質問とその答えが孫さんの本音が出ていて一番おもしろかったです。
孫さんは、大好きな坂本龍馬を引き合いに出して、あの龍馬ですら、薩長のために仕入れた武器は徳川幕府に渡さなかったではないか。私もNTTを倒すor追い抜くまではiPadは武器に使いたいんだ。
ということは、結局なんだかんだ言ってもやはりソフトバンクのためにいろいろやっていると言うことを素直に吐露していたと思う。また、それを素直に出してしまうところが若者たちから支持される理由にもなっていると思った。
佐々木さんとの対談の最後に、国家の金を一円も使わずに光の道(全世帯に光ネットワークを敷設すること)が実現できるのであれば、佐々木さんも同意してくれますねと念を押していたが、私はそこにもトリックがあると思った。
このロジックにはあくまでソフトバンクが国の金を使わないという意味で、もし光を一企業として推進しているNTTがおかしくなって、そこに国費が使われるようになることは言及していないのである。仮にそうなっても孫さんは、それは一企業の問題と片付けるに違いない。
あくまでも天下国家を論じながら、実は自社のビジネスを拡大していこうという野心は衣の下ではなく、衣の上に鎧を着ていて見え見えである。
でも、そうした孫さんが私は個人的には大好きで、是非頑張ってもらいたいと思っています。しかし、国のリーダーは彼の言葉に易々と乗るべきではないと思っています。
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久しぶりに投稿させていただきます。
自分も結局最後まで見てしまいました…
あの討論がタダで見れるとは、幸せな時代に生まれたもんだなと…
佐々木さんもプラットフォームの重要性は著者の「2011年新聞・テレビ消滅」でクドいほど主張されていたのに。最初は孫さんの主張に反論することに意識が集中してしまったのかしら。
孫さんは、あの年になられても全く若さを失っておらず、若者からも支持されるのが実感できます。
一方、内田さんの洞察も鋭いなと、あらめて関心させられた次第!
最近、テレビや新聞メディアが(広告収入に頼らず)全てのコンテンツを有料化したら、消費者はどれだけお金を払ってくれるだろうか、それで生計は立てられるだろうかと空想にふけることがあります。
foxtrotさんへ
イヤー、時代は変わりましたね。テレビやマスコミに迎合しなくても、自分の主張を展開できるし、それがコストがほとんどかからない。良い時代(マスコミ人や私のように本を書いたり講演をする人間からは怖い時代?)になりましたね。
私個人は変化が大好きなので、楽しんでいますが・・・。