DIMEという雑誌にデザイナーの佐藤オオキさんがネンドノカンドというコラムを連載している。これが結構おもしろい。
だいぶ前になるが「すべらないオチ先行テクニック」という記事が載っていた。
要約するとテレビのお笑いとデザインを考えることは共通項があるというのだ。そもそもこの発想がおもしろい。さて、何が共通なのかといえば、笑いのボケとツッコミを、ボケを問題提起と捉え、ツッコミを問題解決と捉えたときに、デザインも問題提起と問題解決から成り立っているとしています。
さらに、笑いのオチとデザインにおける最終アウトプットも同じようなものである。なぜならば、デザインのオチに至るまで、どのような道筋を立てるかによって、全体のクオリティが大幅に左右されるとしている。
この過程において、佐藤さんの場合は先にオチを決めて、そこに至るまでの経路を逆算していくようなやり方をとると言っています。その上で、プロとして、一定のペースで安定したアイデアを出し続けることが求められる以上、「失敗しにくい」デザインプロセスを懐に隠し持っていることは大切ですとも述べています。
具体例として、赤いいすのデザインを依頼された場合、いすの形状・素材→座り心地・サイズ→構造→赤色の仕上げとなるのが通常のパターン、それに対してオチから入る場合は、「実際は白色なのに赤く『感じられる』椅子です」というふうなオチを先に決めて、それから方法を考えるそうです。たとえの例として、白色の椅子に赤いライトを当てたり、鏡がついていた赤い家具が写るようにするなどの例が挙がっていました。
この記事を読んで感じたのは、オチを最初に考えてからそれをいかにして実現するかというプロセスが、私が人を感動させたり、自分のロジックを納得してもらうために考えるアプローチと似ているなと言うことでした。私もよく、先にオチを人に話してから、相手に「エッ」と思ってもらい、それからそれをわかりやすく説明するといったやり方をとります。
例えば、「サラリーマンは専門性を高めるべきでない」、「日本はもはやピークを過ぎた国である」などはすべて、このパターンです。
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