フリージャーナリストの中川一徳さんの書いたドキュメンタリー「メディアの支配者」上・下(講談社文庫)を読み終わった。ボリュームがある上に、重い話が多く、一気に読み終わるわけにはいかなかったがとても良い本でした。
フジテレビやニッポン放送、産経新聞などのグループを形成した鹿内信隆氏の波乱に富んだ人生を語ることで日本のマスコミの持つ光と陰のうちとりわけ陰の部分をうまく浮き彫りにしているのではないかと思います。
戦後、鹿内信隆氏がいかにしてフジサンケイグループを作り上げ、それを支配するようになったかを、戦前の話まで丹念に拾って語っている下りは圧巻である。さらに、鹿内氏とその息子春雄氏が死去して、フジサンケイグループのクーデターが起こり、その後ホリエモンや村上ファンドによるニッポン放送買収騒動など最新の話まで納めてある。
中には本当かなと思うようなことも書かれているのだが、新潮ドキュメント賞や講談社ノンフィクション賞を両方受賞していることから、かなりの部分は真実なのであろう。
下手な小説より、よほどおもしろかった。
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内田さん
賞を受賞しているから真実とは限りませんよ。